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  1. 宮城県議会 1991-06-01
    07月02日-03号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    平成 3年  6月 定例会(第241回)第二百四十一回宮城県議会(定例会)会議録                        (第三号)平成三年七月二日(火曜日)  午後一時一分開議  午後四時四十三分散会      議長            小野寺信雄君      副議長           根深善雄君出席議員(五十九名      第一番           坂下康子君      第二番           遊佐雅宣君      第三番           藤倉知格君      第四番           大学幹男君      第五番           仁田和廣君      第六番           伊東 憲君      第七番           高橋浩一君      第八番           千葉 達君      第九番           佐藤勝彦君      第十番           岸田清実君     第十一番           菅原 哲君     第十二番           石橋信勝君     第十三番           庄子 守君     第十四番           村上敏子君     第十五番           菊地 浩君     第十六番           高橋長偉君     第十七番           相沢光哉君     第十八番           高橋俊也君     第十九番           大沼迪義君     第二十番           萱場正美君    第二十一番           斎藤正美君    第二十二番           伊藤康志君    第二十三番           木村洸也君    第二十四番           佐々木ひろし君    第二十五番           高橋 稔君    第二十六番           菅野信男君    第二十七番           餅 道夫君    第二十九番           黒須光男君     第三十番           千葉正美君    第三十一番           佐藤 勇君    第三十二番           渡辺和喜君    第三十三番           今野隆吉君    第三十四番           遠藤宗一君    第三十五番           中野正志君    第三十六番           大沼謙一君    第三十七番           百足健一君    第三十八番           鈴木 昇君    第三十九番           中沢幸男君     第四十番           佐藤 勲君    第四十一番           高橋善幸君    第四十二番           長谷川正君    第四十三番           金子哲郎君    第四十四番           三上良喜君    第四十五番           曽根冨二男君    第四十六番           坂下清賢君    第四十七番           錦戸弦一君    第四十九番           佐々木久壽君     第五十番           渡辺 浩君    第五十一番           渥美鉄太郎君    第五十二番           高橋健輔君    第五十三番           亀谷博昭君    第五十四番           中村健一君    第五十五番           文屋 公君    第五十六番           安住仁太郎君    第五十七番           須藤正夫君    第五十八番           野口考吉君     第六十番           森  康君    第六十二番           根深善雄君    第六十三番           小野寺信雄君欠席議員(四名)    第二十八番           長島秀道君    第四十八番           佐藤光輔君    第五十九番           斎藤栄夫君    第六十一番           佐藤常之助君  ────────────────────────説明のため出席した者      知事            本間俊太郎君      副知事           若生 修君      副知事           川崎正信君      出納長           丹野諒二君      公営企業管理者       小野寺完夫君      総務部長     事務吏員 八木 功君      企画部長     事務吏員 中村 功君      生活福祉部長   事務吏員 兵藤 司君      保健環境部長   技術吏員 伊田八洲雄君      商工労働部長   事務吏員 槻田久純君      農政部長     事務吏員 高橋正勲君      水産林業部長   事務吏員 森 熊三郎君      土木部長     技術吏員 間所 貢君      出納局長     事務吏員 讃井貞人君      企業局長     事務吏員 松木伸一郎君      総務部次長    事務吏員 須藤弘志君      総務部秘書課長  事務吏員 菅原清毅君      総務部財政課長  事務吏員 山内健生君      教育委員会      教育長           大立目謙直君      教育次長          千葉眞弘君      選挙管理委員会      委員長           針生陸郎君      事務局長          高橋 渉君      人事委員会      委員長           大沼直治君      事務局長          石崎泰司君      公安委員会      警察本部長         杉山説男君      警務部長          大園猛志君      地方労働委員会      事務局長          市川 宏君      監査委員      委員            佐藤輝夫君      委員            阿部光郎君      事務局長          小林一丈君  ────────────────────────      議会事務局      局長            今里寅男君      次長兼総務課長       高松力男君      議事課長          瀬川光雄君      調査課長          加藤幸男君      総務課長補佐        二上政紀君      議事課長補佐        遠藤幸之君      調査課長補佐        高橋孝夫君      議事係長          大沼仲一君      委員会係長         水戸敏男君      記録係長          佐藤 昭君      主事            布田恵子君      主事            小野一彦君  ────────────────────────   議事日程    第三号         平成三年七月二日(火)午後一時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第六十二号議案ないし議第八十二号議案及び議第八十四号議案ないし議第八十七号議案並びに報告第四号第三 一般質問    〔木村洸也君、伊藤康志君、村上敏子君、千葉 達君〕  ────────────────────────    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第六十二号議案ないし議第八十二号議案及び議第八十四号議案ないし議第八十七号議案並びに報告第四号三 日程第三 一般質問    〔木村洸也君、伊藤康志君、村上敏子君、千葉 達君〕  ──────────────────────── △開議(午後一時一分) ○議長(小野寺信雄君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。  ──────────────────────── △会議録署名議員の指名 ○議長(小野寺信雄君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に九番佐藤勝彦君、十番岸田清実君を指名いたします。  ──────────────────────── △議第六十二号議案ないし議第八十二号議案 △議第八十四号議案ないし議第八十七号議案 △報告第四号 △一般質問 ○議長(小野寺信雄君) 日程第二、議第六十二号議案ないし議第八十二号議案及び議第八十四号議案ないし議第八十七号議案並びに報告第四号を議題とし、これらについての質疑と日程第三、一般質問とをあわせて行います。 前日に引き続き質疑、質問を継続いたします。二十三番木村洸也君。    〔二十三番 木村洸也君登壇〕 ◆二十三番(木村洸也君) 石巻市議十九年に引き続き、今ここに県議会議員として県政に参画できますことは、私にとりまして望外の光栄であり、御支援くださいました石巻市民の皆様に改めて御礼を申し上げる次第であります。同時に、新人議員でもあり、御出席の先輩議員を初め知事並びに幹部職員の皆様方の温かい御指導と御教導を心からお願いを申し上げる次第であります。よろしくお願いいたします。 さて、世はまさに国際化の時代を迎えました。世界じゅうに張り巡らされた航空網の整備、全世界、いつ、どこにでも一昼夜もあれば行けざるところなしと言われるほど、今や地球は狭く、近くなり、政治、経済、環境、すべてにわたりグローバルに考え、広く行動する時代に入ったのであります。つい二、三年前まで東西冷戦構造の中で、ソ連、アメリカを中心とする二極対立の緊張した政治体制が四十数年間にわたって世界を支配してまいりました。しかし、今日米ソの歴史的和解、東欧諸国の政治体制の崩壊、東西ドイツのあの劇的な統合など、私のような凡人にははかり知れないスピードと感覚で世界は今大きく変革を遂げつつあります。このような目まぐるしく変転する世界情勢の中で、世界の政治経済体制は情報化のますますの進展と相まって市場経済がグローバル化し、産業はもはや国家の指導できる範囲を越え、世界化してきていると言われております。しかも、イギリス、フランス、ドイツなど十二カ国で組織するEC諸国では、驚くことに長い伝統と歴史を持つ通貨さえも統一し、国家という枠組みを乗り越え、ヨーロッパという地域全体の経済発展を目指すという、そんな経済体制へ移行しようとしているのであります。すなわち世界は、これまでの自己の国益中心主義から、例えばヨーロッパ地域アジア地域等、これまでの国家主義、ネーションステートから地域主義、リージョナリズムへと移行していくだろうと言われております。今世界は、ボーダレスワールド、国境なき世界と言われる新しい時代の入り口に立っていると言われております。こういった世界の大きなうねり、激しい国際化のあらしの中で、我が国においても、これら世界情勢を的確に直視しながら、これからの新たな時代に対応できる行政機構は一体どうあるべきか、明治以来の都道府県、市町村のままのあり方でよいのだろうか。今真剣に論ずべきときを迎えたと思うのであります。 宮城県においても、今行政的に大きな変革の時代にあります。仙台市が政令指定都市となって二年、東北地方の中枢都市としてその重責を担い、十分な機能を発揮しつつ、東北の時代の夜明けを今声高らかにうたい上げつつあります。仙台市が政令指定都市となると同時に、仙台空港の国際化が急速に進み、韓国、グアム・サイパン、更には中国、香港、台湾、近くオーストラリア便も計画されているとか。このように空港一つとっても、政令指定都市としての波及効果ははかり知れないものがあり、国際化の時代、宮城県全体に及ぼす影響もまたはかり知れないものがあると思うのであります。宮城県政にあって、この政令指定都市としてのメリットをただ単に仙台市のメリットだけにとめ置くことなく、いかに県政全体に生かしていくかが肝要であります。県内どこに住もうとも、同じ県民であり、さんさんと輝く太陽の光のように、広く平等に県政の光を県内くまなく差し与えなければなりません。しかし、全国的な都市化志向の中で、このまま行政的に何ら長期的展望に立った対策を講ずることなく放置していけば、大都市の魅力に吸引され、あたかも街灯の明かりに惑い集う無数の昆虫のごとく仙台一極集中が更に加速され、一方では郡部の過疎化が更に進み、県土の均衡ある発展を目指す本間県政の意に反し、仙台の一極集中が更に加速されるでありましょう。 御案内のように、仙台市の人口は九十三万人を突破し、宮城県人口の四〇%以上が集中しております。これまでの県内の人口動態を考えるとき、近い将来、仙台は人口百万人を突破することは確実でありましょう。日本における東京一極集中のごとく、宮城県における仙台一極集中が心配されるのであります。マンモス都市東京、余りの肥大化に都市機能も麻痺し、今真剣に遷都論や分都論がささやかれ、現実に国の機関である省庁の地方分散が具体的に計画、指示されてから久しいのでありますが、現実には一向に進んでいないのが現状であります。大都市の魔力と言うべきか。一たん肥大化した都市機能はそう簡単に分散できないことは東京の現実が如実に証明しております。 東北の中枢都市仙台、芸術文化の薫り高い杜の都仙台、住みよいイメージの町仙台を大切にするならば、仙台の人口百万人を限度とし、仙台一極集中を極力抑制し、県土の均衡ある発展を目指した具体的かつ計画的な長期展望に立った対策を今この時期に県としても真剣に考えるときであろうと思うのであります。なぜなら、全国の政令指定都市のある都道府県の中で、京都府と宮城県のみが第二県都を持たない、すなわち人口二十万以上の中核都市のない、一つの都市のみが突出した変形した状態にあると言われているからであります。ちなみに、京都府の人口は二百六十万人、京都市の人口百四十三万人、実に五五%の人口が京都市に集中しているのであります。 これからの宮城県政が真に東北地方のリーダーとして君臨するとするならば、二十一世紀に向かった大胆な発想に立ち、仙台市を包囲する衛星都市群の整備、例えば多賀城、塩釜を中心とする仙台東部衛星都市、名取、岩沼、亘理を中心とする仙台南部衛星都市、古川を中心とする仙台北部中核都市石巻広域圏の二十五万中核都市構想の実現など、第二、第三の将来の県の中核となるべき都市づくりを目指すべきであろうと思うのであります。先ほども申し上げましたとおり、世界の政治、経済は、まさにボーダレスワールド、国境なき世界と言われる新たな時代に突入したのであります。目まぐるしく変転する世界情勢にあって、今日我が国における市町村のあり方も従来の枠組みの中で果たしてよいのだろうか。高度に発達した車社会、情報化社会の中で、もはや日常的な市民生活は市町村の境界など既になくなりつつあるのではないか。企業誘致や産業おこしなど地域開発は本来広域的な性格を有し、小規模町村での自給自足的、自己完結的開発で果たしてその活性化が図られるのだろうか。政令指定都市仙台以外中核都市のない宮城県で、本当に均衡ある県土の発展策が推進できるのだろうか。私は、こんないろいろな不安や疑問がわいてくるのであります。 そこでお伺いいたします。 去る平成元年十二月二十日、臨時行政改革推進審議会が国と地方の関係等に関する答申を発表いたしましたが、その中の地方行政主体と整備、多様化、広域行政の対応の中で、特に広範な国際化と国際社会の中で、社会経済の変容と新たな課題にこたえるため、市町村行政の広域化、市町村合併の推進など大胆に変革すべきときが来たと述べられております。これまで市町村の合併は、その当該市町村の自主的合意、自主的合併が基本との立場から、都道府県は合併に不介入の原則に立ってきましたが、しかし、第二次行革審答申では一歩進め、都道府県は、条件の整った地域について関係市町村の合意形成のため必要な役割を果たすべきと指摘しているのであります。県の必要な役割とは何か。市町村の合併はただ単に人口をふやせばよいというものではもちろんありません。合併により、その住民が未来にいかに希望と夢を持ち、ゆとりある地域社会づくりができるか。すなわち住民主体の合併を考えるべきであります。県の必要な役割とは、住民が合併に対し、夢と希望と自信を持って突き進むことができる県土の均衡ある発展を目指した具体的な県政の発展計画の作成であります。宮城の東北学おこしなど、新しい発想、斬新な考えに立つ本間知事の二十一世紀を念頭に置いた県土の均衡ある発展策について、地域中核都市構想仙台衛星都市構想市町村広域合併の考えを含め、御所見をお伺いいたしたいと思うのであります。 次に、石巻広域圏の実情と実態について申し述べながら、二、三お伺いいたします。 おかげさまで本間知事は、石巻広域圏を第二県都として位置づけ、石巻広域圏の活性化が県土全体の発展の上で極めて重要かつ緊急な課題であるとし、本年石巻ニュー・アトラクティブコア形成調査事業に取り組んでいただきました。サン・ファン・バウティスタ号の復元、イタリア村建設構想、フィッシャーマンズワーフ建設構想など、石巻圏域の観光戦略、内陸型工業団地造成ハイテク産業の誘致、更には、現在高規格高速道の建設、日和港工業港の建設、北上川流域公共下水道の建設などが進められており、今石巻広域圏は、文化、交流、産業と全般にわたり調査研究、建設が進められており、石巻圏域住民は、未来に大きな希望を持ち、一体となって取り組んでいくことを誓い合っているのであります。 石巻地区における広域行政事務組合も一市九町で昭和三十六年に設立し、し尿処理、消防、老人ホーム等、多方面にわたる共同事業を取り組んでおり、既に三十年の歴史を刻んでおります。しかし、これからの大事業、活性化策を実施するに当たり、一市九町という行政の中では、例えば内陸型工業団地を造成するにしても総論賛成、各論問題ありで、各町綱引きが心配されるなど、素早い対応は難しく、また一部事務組合では限界があるのであります。これからの石巻広域圏の未来像と夢を描くとき、どうしても一市九町の広域合併による二十五万都市を目指すべきという声が各界から沸き上がってきているのであります。 去る四月、矢本町長に就任いたしました大崎町長は、議会答弁の中で、矢本町は、人口三万人になろうとしており、単独市政も考えられるが、これからの社会、行政を考えるとき、合併する方向が行政効率と住民福祉の向上につながると考えると答弁しており、更に石巻広域圏商工会議所においても近くこの問題について真剣に話し合う機運があると報道されるなど、広域合併に一歩踏み込んだ姿勢を明らかにしているのであります。石巻広域圏を本気になって宮城県の第二県都として位置づける上で大変重要な問題であり、宮城県知事として、この石巻地方広域圏の合併問題をどう受けとめ、どう対応すべきと考えるか、具体的支援策も含め知事の大所高所に立った高邁なお考えをお聞かせいただきたいと存じます。 さて次に、石巻牧山有料道路の無料化の問題についてお伺いいたします。 御案内のように、この問題につきましては、既に幾度か先輩議員に一般質問として取り上げていただいておりまして、石巻、女川、牡鹿町の住民は、一日千秋の思いで待ち続け、県議会の論議に大きな期待を持ち、注目いたしたのであります。なぜなら、この牧山有料道路は、昭和四十八年、建設当初から湊地区の慢性的交通渋滞解消のため地域住民にとっては日常生活に欠くことのできない、全くの生活道路であるからであります。昭和四十六年牧山トンネルバイパス建設問題が浮上した折、有料道路として建設すべきか、公共事業として建設すべきか、議会を初め経済界でも大きな論議を呼びました。当時県の指導として、国、県の補助事業として行うとすれば七、八年の歳月を要し、有料道路であれば一年で完成するという説明に対し、わずか三キロメートル程度の距離に一時間以上も渋滞し、通勤通学、商業、産業活動等大変な支障を来している現状であったため、市民はもう待てないという悲壮な気持ちから、有料でも早急にという声が上がったのもけだし当然のことであり、したがって、建設当初より公共事業で行うべき事業を緊急避難的に有料道路として建設されたといういきさつがあったのであります。そんな事情から、これまで石巻市、石巻市議会商工会議所、関係町村、地域住民団体、更にはすべての政党も含め一日も早い無料化実現を目指し、運動を続けてまいりました。 特に昭和六十二年三月十二日、県知事に陳情を行ったのに続き、六十三年六月二十八日、同年七月二十五日、同年十月二十四日等、幾度となく石巻地域における産業構造や生活道路としての実態を県知事や県議会議長に繰り返し陳情をいたしてまいりました。このような石巻市、議会、経済界の切実な血のにじむような熱意と訴えに対し、昭和六十三年六月二十八日、石巻市議会等の陳情団に対し、当時の山本知事は、牧山有料道路の未償還金が五億円程度に減る二、三年後には無料化したい。どうしても早急にというのであれば、石巻市が残債の四分の一、二億五千万程度負担する気があれば来年の四月からでも無料化は可能である旨話され、これには陳情団一行まさに跳ぶ上がらんばかりの喜びに包まれたのであります。この日の陳情には、地元新聞社三社も同行しており、翌日の地元新聞には、すべてトップで報道されており、「無料化へ大きく前進」「来春実現が確実」「早期無料化に手ごたえ」と大きな活字が地元新聞に踊ったのであります。更にその三日後の六十三年六月三十日、宮城県土木部長が上京し、建設省有料道路課に出向いて協議の結果、土木部長の談話として、県の立場もわかるという理解を得た。牧山トンネルは生活道路であり、地域の活性化のため、早期無料化が必要だ。残金の返済ができれば、可能と思うので、石巻市と十分協議して地元の要望にこたえたいと、見通しが明るいとのコメントを当時の土木部長は発表したのであります。この発表で、石巻、女川、牡鹿の市民だれしもが長年の要望であった牧山トンネル無料化実現を堅く信じ、喜びにむせびながら当時の山本知事の英断に心から感謝したのであります。 だが、しかし、しかしであります。石巻市民が歓喜につつまれてから一カ月後、急に雲行きが怪しくなったのであります。市議会や経済界で、建設省を初め中央省庁に御礼を兼ねて陳情を行おうとしたところ、県から、もう少し待ってほしい。今はタイミングが悪いとのことで、延び延びになってしまいましたが、それからは一向に解決の兆しもなく、何の進展もないまま今日に至っているのであります。当時、地元の新聞に、「期待させといて」という見出しで、地元住民の期待を大きく膨らませておいて、上げかかった万歳の手が途中でとまった、まことに格好の悪い後味と評して、県の責任を厳しく指摘しておりました。また、地元住民の間からは、県の対応について、まるで三橋美智也の往年のヒット曲「おんな船頭唄」の一節、「嬉しがらせて泣かせて消えた」ではないかという、そんな気持ちが県に対するやるせない、ふんまんの声として上がっていたのであります。 あれから三年、来年からでもという当時の県知事の話はほごになってしまいましたが、しかし、県は、おそくとも二、三年後には牧山道路の未償還金が五億円ぐらいとなるので、無料化について建設省にも説明がつくと明言しておりましたが、その時期も迎えつつあるのであります。今石巻は経済活動が若干停滞ぎみであり、その活性化を促進させるためにも、また、本来牧山トンネルは当初から観光道路として建設されたのではなく、生活道路の補完をすることを目的に建設されたものであり、地域住民の今か今かと切ない思いで待っている気持ちを思うとき、今回どうしても無料化に踏み切っていただきたいものと心から願っているものであります。 しかし、このたびこの問題を質問するに当たり、担当課にお伺いいたしましたところ、市民の期待とは裏腹に、無料化の問題は全く進展していないとのこと、本当にふんまんやる方ない思いであります。かりそめにも当時の宮城県の最高責任者である県知事と事務部局の最高責任者である土木部長みずからが陳情という法に基づく公式の場で具体的見通しを述べながら、具体的金額を市で負担するかどうかを聞きながら、更には蔵王エコーラインも二億円の残債があっても無料化を図ったと、こう述べながら、生活道路であるということを重々認めつつ、当時の知事並びに土木部長は真剣に前向きに無料化を目指していくと住民に約束をいたしたわけであります。思いつきではなく、十分調査した上での本当に温かい政治的配慮の決断と思うのであります。しかし、事務当局にあっては、三年もたった今でも、当時の山本知事並びに当時の土木部長の意に沿った具体的対応策を講じなかったとすれば、まさに政治的怠慢、行政的怠慢と言わざるを得ないのであります。政治の継続性、行政の信頼性の上からも、私はこれは大きな問題であると思うのであります。よって、今申し上げました三年前のいきさつも含めて、この牧山有料道路の無料化をこれからどう対処し、どう解決を図っていただけるのかお伺いする次第であります。今度こそ地域住民の希望にこたえた、前任者の温かい心を受け継いだ真剣な答弁を心から期待するものであります。 以上で、私の壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(小野寺信雄君) 知事本間俊太郎君。    〔知事 本間俊太郎君登壇〕 ◎知事(本間俊太郎君) お答えをいたします。 国際社会そして国内のこのところの急激な変化は大変大きなものがございます。二十一世紀の本県は、来るべきアジア・太平洋という、この時代を見据えまして、第二国土軸の中枢県としての役割を認識し、個性的でしかも世界性のある地域づくりを目指してまいりたいと、このように考えております。 そのような観点から、第二国土軸の中枢都市として、仙台市の都市機能を更に高めるために、隣県を含めた広域都市圏の形成を進めますとともに、同時に県土の均衡ある発展のために、県内各圏域の発展をリードする中核都市を育成していくということは大変重要でございます。その際、御指摘のように、仙台だけに一極集中することなく、県内全域が調和ある発展ができるように留意していくことは大変重要でございまして、石巻、古川、気仙沼など、圏域の中心都市の育成には特に力を入れまして、地域活性化推進事業、広域圏活性化プロジェクト推進事業、拠点形成モデル調査事業や石巻ニュー・アトラクティブコア形成調査事業などを積極的に展開いたしますとともに、各都市間の人、物、情報等の交流ネットワーク整備を進めていかなければならないものと考えます。今後ともいわば本県全体を一つの都市としてとらえる、こういう視点が大切でございまして、各中心都市の独自機能の一層の集積と、全体を一体化していくコスモス的なネットワーク化、こういう考え方を進めていく必要があります。したがって、県内各地域において県民がひとしく医療でありますとか、教育でありますとか、文化でありますとか、こういう高度な都市的なサービスを享受することができる県土の構築を目指してまいる考えでございます。 これに関連して、市町村の合併、広域合併についてのお尋ねでございますが、合併につきましては、行財政能力の向上あるいは効率性、こういった視点から望ましいものでございます。また、交通、通信の発達によりまして、地域の人々の生活も広域化している、これも現実でございます。しかしながら、市町村の合併は、地方自治の基本にもかかわっていることでございまして、そこに住む住民に大きな影響を与える問題でありますので、具体的な地域の合併につきましては、まずその地域の住民なり、市長さんなり、あるいは議員なりが自主的に話し合っていくことが重要であります。そのような中で、当該地域における合併の機運の盛り上がりが見られた場合には、住民意識の一体化の進展、あるいは広域行政体制の定着化など、条件が整った地域であるということが前提ではございますけれども、第二次行革審等にもありますように、県としても関係市町村の合意形成のために必要な役割を果たしてまいりたいと、このように考えておるわけでございます。したがって、今後長期構想等も策定してまいるわけでございますが、地域の方々の御意見等をよく聞いてみたいと、このように考えております。 続きまして、石巻圏域については、文化、産業、学術、交流など、各種のプロジェクトが展開されておりまして、県としましても所要の支援をしてきたところであります。本年度は、第二県都にふさわしい新たな都市ビジョン実現のための諸方策を検討する石巻ニュー・アトラクティブコア形成調査事業を地元と共同で実施しております。御指摘のとおり、二十一世紀に向けての社会情勢の変化を考えますときに、広域圏を単位とする行政の展開、あるいは行政サービス、また医療、福祉サービス等の高度化などが求められておるわけでございまして、県としましても、今後これら事業の展開を推進支援してまいりますが、広域合併につきましては、くどいようでございますが、地元市町の自主的な取り組みがまず第一でございまして、これを見守りつつ対応してまいりたいと、このように考えております。 次に、牧山有料道路の無料化に対する御質問でありますが、有料道路制度は、道路の早期整備を目的に借入金で整備いたしまして、利用者の皆様の料金の収入でこの借り入れを償還していく、こういうことでございます。償還が完了しますと、一般道路として無料になる制度であります。御案内のとおり、この道路は、石巻市内の東西交通の混雑緩和を図ることを目的といたすものでありまして、同じ有料道路の石巻河口橋と相互に代替制があるということから、昭和五十七年度よりプール制を導入し、一つの道路として料金徴収を行っているところであります。 今までの経緯を申し上げますと、昭和六十三年六月に石巻市議会の陳情に対しまして、前知事は、難しい問題もあるが、県としても地元の要望を理解して、前向きに検討していきたいと、こういう旨の希望を込めた発言をいたしておるわけでございます。知事といえども相手があることでございまして、その後、直ちに建設省と具体的折衝を重ねてまいったのでございますが、牧山の有料道路だけを無料開放することにつきましては、現時点におきまして、プール制を導入した経緯から法制上非常に困難である、こういうのが、当時の折衝を続けた結果の建設省の見解でございます。この件につきましては、その旨を昭和六十三年十二月定例議会及び平成元年の十二月定例議会におきまして、それぞれお答えを申し上げてきたところであります。しかしながら、地元の皆様の早期無料化への期待等につきましては理解できますので、引き続き建設省と折衝を重ねるほか、道路公社自体の経営の合理化等も図りながら、早期に無料化が図られますよう努力をしてまいりたいと、このように考えております。 ○議長(小野寺信雄君) 二十三番。 ◆二十三番(木村洸也君) ただいま知事さんの御答弁を聞いたわけでございますが、市町村の合併問題等について、過日の県知事さんの、六月十一日でしたか、内外情勢調査宮城県支部での懇談会で、知事さんも市町村の合併は必要ということで講演で述べられたというようなことが読売新聞に載っておりますけれども、今のお答えを聞いておりますと、大分トーンが下がったような気がしてなりません。しかし、それはそれで結構だと思いますから、知事さんの答弁は求めませんが、ただ、牧山有料道路の問題について土木部長さんにお聞きしておきたいなと、こう思っております。 蔵王エコーラインありますね、蔵王エコーラインは、日本道路公団で建設なさいました。その蔵王エコーラインは、昭和五十八年に日本道路公団でさえも、償還期限を残して、そして観光道路でありながらも、無料化に踏み切っているわけでございます、六十年でしたか。牧山道路の場合は、宮城県道路公社の建設であり、しかも全くの生活道路ということでございます。観光道路が期限を待たずに無料化ができて、生活道路が期限を待たないで無料化にできないという、この理由は私はどうしてもわからないわけでございます。確かに今知事さんの御答弁の中にあったように、牧山は日和大橋とプール制を採用したから、だから難しいということでございますけれども、しかし、六十三年、三年前の当時の知事さんの発言は、もう既にそのときはプール化がなった後の話でございます。プール化なった後の話で、そして当時の土木部長さんは建設省から派遣された方で、しかも建設省に行ってお伺いを立てた結果、この石巻の無料化の問題については理解できるというような発言を新聞紙上でコメントをしているわけですね。 ○議長(小野寺信雄君) 簡明に願います。 ◆二十三番(木村洸也君) (続)ですから、こういうことを考えますと、私はどうしても県の対応が一体どうなったのか、こういう疑問に思うのは私のみならず、多くの市民の皆さん方が疑問に思うのは当然でございます。土木部長さん、今申し上げたことに関してコメントとしてどういうお感じを持つでしょうか。もっと前進的に考えられないのかどうか、事務的に。お答えをいただきたいと思います。 ○議長(小野寺信雄君) 土木部長間所貢君。    〔土木部長 間所貢君登壇〕 ◎土木部長(間所貢君) 有料道路のことにつきましてお答えをさせていただきます。 当初は有料道路制度自体は三十年間、標準三十年間で実は償還をするという建前から仕事をしているわけであります。しかし、その中に予測もされないことが実は三つ起きるわけであります。当初考えていたことよりも多く実は利用者があるという場合。それから、計画どおりという場合もあります。残念ながら、計画を下回るということもございます。こういう状態からいきまして、多く通るときには三十年間の計画も短くなるし、また残念ながら少なくなりますと、大変負債が多うございますので、これは何とか後世に負債を残すわけにはいかないということで、その負債の芽を切ろうとすることも一応考えられます。 こういうようなことからいきまして、エコーラインにつきましては、突然の御質問で、少々私も推測が入ろうかと思いますが、若干道路公団でおつくりになりました昭和六十年の七月の十五日だったと思いますが、無料開放に踏み切ったわけでありますけれども、ここの道路はお金が不足して実は交通量が少なかったというような経営のあり方から判断をされたものと思っております。 それから、土木部長がどこの出身だとかどうのというんではなくして、私どもは、与えられた法律の中で、その法規の中で一生懸命仕事をしてまいりますので、これは意見としては異なるものではないように思っております。出身だから云々ということではないと思っております。私も宮城県の県土の土木行政には力を十分いっぱい働いてまいる所存でございますから、これからにおきます諸問題につきましても、また、きょう御提言をいただきました課題につきましても、力いっぱい働いていくことをお約束いたしまして、答弁させていただきます。 ○議長(小野寺信雄君) 二十二番伊藤康志君。    〔二十二番 伊藤康志君登壇〕
    ◆二十二番(伊藤康志君) 二十二番の伊藤康志であります。お許しをいただきましたので、通告をいたしております米問題、古川地方の諸問題について順次御質問を申し上げます。 昨日から議論されておりますが、まず最近の米問題についてお伺いをいたします。 最近の米市場開放発言問題に見られるように、米、農業をめぐる内外の諸情勢は一段と厳しさを増しております。米は日本国民の主食であり、日本農業の根幹をなすものであることはもとより、日本文化の原点でもあり、また国土環境保全に寄与するなど、地域社会の発展に重要な役割を果たしているところであります。また、政治の原点は信頼の構築であり、信義に基づくことであります。春の統一地方選挙における公約、農業団体からの推薦の重みと責任において、私たちも行動いたしているところであり、今議会開会日に、米自由化阻止の意見書を採択し、あす三日、県議会を代表し、根深副議長、百足農政委員長、自民党議員会農対委員長である佐々木久壽農政委員、三上農政委員、そして私、伊藤康志農政副委員長と五人が、県議会を代表し、政府、国会に要請行動を行うことを初め、県議会としても強力に運動をいたしてまいるところであります。農業生産の五割以上も米によって支えられている本県農業界にとっては、米問題はまさに死活問題であり、存亡をかけた正念場を迎えていると言えるのであります。農業県、米主産地県としては、これらの運動の先頭に立って行動を開始しなければならないと考えるものでありますが、まずこの問題に対する知事の御決意と今後の運動の進め方についてお伺いするものであります。 知事は、今回の米部分自由化論議に対応するため、六月三日、庁内に農政部長を議長とする米問題対策会議を設置されました。いち早く、しかも広範のメンバーで対策会議を設置されましたことに敬意を表しますとともに、その実効を上げることを期待申し上げる一人であります。 そこでお伺いいたします。この対策会議は、緊急的機関なのか、あるいは恒久的機関にするのか、その位置づけをお伺いいたします。またこの対策会議は、問題に対処するための連絡会議に終わらせるのか、あるいは米農業の総合的政策機関にまで高めてまいるのか、その構想もお伺いいたします。 次に、今後の米振興についてお伺いいたします。本県が今後とも米の主産県として生き残るためには、消費者ニーズにこたえられる米づくりに一層努力していかなければならないでありましょう。消費者の米、農産物に対する願望は、安全で、おいしくて、安ければ更によいということになるでありましょう。このことへの研究と努力が本県米農業の生き残りをかけた戦いになるのであります。このことに私見を開陳しながら御質問を申し上げます。 おいしさの点では、ササニシキという看板品種に恵まれておりましたし、先月二十六日には、味はササ・コシ以上という待望の新品種ひとめぼれがデビューいたしました。鳴り物入りでデビューするひとめぼれに、本県米作の再生を期待するものの一人として、老婆心にならないことを念じながらお伺いいたします。 ササニシキは、登熟気温が高まると食味や品質に低下を来す弱点がありましたので、福島県あたりを南下の限界とした品種であります。栽培可能地域も東北にほぼ限定され、ササニシキイコール宮城県としてのイメージが定着いたしました。しかし、新品種ひとめぼれは、コシヒカリを母として誕生した品種でありますので、母親コシヒカリの特性を受け継いでおります。コシヒカリは、昭和三十一年、福井県農業試験場で誕生いたし、ササニシキより成熟の早い中手でありますし、ササニシキのような高温登熟障害がありませんので、九州地方はもちろん、全国四十一都道府県で作付されております。既にひとめぼれには、岩手、福島両県で奨励品種の動きがあり、九州地方を初め全国からも問い合わせがあるように、新品種がササニシキと違い、全国的に作付される可能性と危険性を抱えている品種だという認識に立たなければなりません。九州地方に作付されれば、八月中に早場米として出荷されます。また全国一円に作付されれば、それだけ主産地争いが激化するでありましょう。福井県で生まれたコシヒカリが新潟県の顔を持つように、本県で十年がかりで育成してきたひとめぼれが、他県にお株を奪われないように、これまでの宮城米づくりの経験と反省の上に立って、一層の研究と努力が必要であると考えるものであります。現在進めております栽培塾や産地精米も含めて、今後どのような指導や産地化、販売戦略を進めていかれるのか、御決意と御計画をお伺いいたします。 次に、安全な米づくりについてお伺いいたします。 角田市農協では、今シーズンから農薬の空中散布を全廃し、安全な角田の米のイメージに結びつけようとの試みを起こしております。今回の角田市農協の取り組みに見られるように、消費者ニーズにこたえた安全な米づくりは、全国的に普及いたしており、本県でも有機米づくりや特別栽培米づくりで成果を上げているグループもふえております。しかし、関心が高まっているが、どのように栽培したものを有機と呼ぶのか、その基準があいまいのままであります。その中にあって自治体が積極的に基準づくりに取り組み出した先例もあります。全国で最も早く基準づくりに取り組みを始めたのは、岡山県であります。三年前に有機の栽培基準を設け、農薬を一切使わない有機無農薬農産物、農薬の基準を守った有機栽培農産物とに分けたシールを張り、県内二十五店のスーパーなどで販売しております。また、東京都では、今後有機農業に取り組んでいくために、消費者、生産者、流通関連から意識調査を始めております。また、宮崎県綾町のように、条例を制定して積極的に取り組んでいる自治体もふえております。 そこで、本県でも安全な米、農産物の主産県づくりのために、有機農産物の基準づくりと栽培指導、耐病性品種の研究に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いをいたします。 また、本県には昭和五十一年の冷害でいもち病多発の折、古川農業試験場ではいもち病にかからないササニシキを育成しようと研究が開始され、九年間の年月を要し、ササニシキにいもち病真性抵抗性遺伝子を組み込んだササニシキと同質の遺伝子系統の東北IL三から八号の育成に成功しております。早急に品種登録を行い、本県の奨励品種に加え、消費者の安全志向にこたえられる無農薬米として普及させるべきでありましょう。ササニシキ、ひとめぼれ、無農薬米の三枚看板で本県の米作付指導体系を実現すべきと考えるものであります。また、この無農薬米が世に出れば、十アール当たり四、五千円の農薬代が浮くことになり、低コスト稲作にも相乗効果があらわれる一石二鳥のメリットがありますことも申し添えさせていただきます。県当局の御所見と御計画をお伺いをいたします。 次に、二十一世紀型農業への道筋づくりについてお伺いをいたします。 このたび県におかれましては、宮城県農業の新たな展開方向なる本県農業の基本指針を策定されました。この計画は、厳しい内外の環境の中で、二十一世紀に向けた新たな発展を目指して進むべき道筋を明らかにしたものであり、私も一期四年間に数回にわたりこの議場より本県農業指針の必要性を訴えてきた者の一人として、県当局の御決断と御尽力に評価と敬意を表するものであります。 そこで、このビジョンの実効を上げるために、緊要な課題二点について御質問申し上げます。 第一点は、二十一世紀型農業総合推進本部と同連合審議会の設置について御提言申し上げます。せっかく策定したビジョンが計画どおり推進されるためには、各般の政策と事業推進が必要でありましょう。このビジョンが単に県が策定した冊子としてマスターベーションに終わることなく、実効を上げてまいりますためには、政、官、民、生産団体、指導機関を含めた総合推進本部が必要であると考えるものであります。上意下達ではなく、関係者挙げて一体となり、創意、研究、実践が必要であると考えるものであります。もう一つは、連合審議会の設置であります。縦割り的、またお役所発想的人選に基づいて機能している各種審議会を統廃合いたし、宮城県の二十一世紀型農業をどう推進していくかの、各部横断的、各界各層にも参加してもらい、米農業を今後どうするかという共通認識の上で、各論が動き出す審議会、二十一世紀型農業推進県民連合審議会を設置してはいかがでしょうか。お伺いをいたします。 第二点は、圃場整備の推進についてお伺いいたします。 本県が今後とも生産性の高い稲作農業を推進するためには、その基礎的条件である圃場整備と土地の集約化を強力に推進する必要があります。圃場整備の後進県であった本県に、今、後発のメリットとして光明を与えておりますのが、低コスト化水田農業大区画圃場整備事業と二十一世紀型水田農業モデル圃場整備促進事業でありましょう。この二つの事業を活用すれば、かねてから主張してまいりました、理想であります農家負担のほとんどかからない圃場整備事業を導入することが可能になります。本県稲作農業にとって、起死回生、千載一遇のチャンスであります。これらは時限立法でありますから、この制度が継続すると予想される今世紀中に一気に本県の圃場整備を促進すべきと考えるものであり、向こう十年間の本県農業の予算と人材をこの事業に集中的に張りつけるべきと考えるものであります。 そこでお伺いをいたします。今後十年間の圃場整備十カ年戦略を打ち出すべきと考えますが、いかがでしょうか。その際、十年後の本県圃場整備率を三長総の目標値でありました六八%を下回らない計画を打ち出すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、圃場整備を促進するために、土地利用計画や非農用地、施設誘致を計画的に行うために、県と市町村段階で関係行政部局と農業団体、生産団体などで組織する圃場整備推進会議の設置を図っていくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。また、本県稲作農業の起死回生の大事業を促進する担当職員は、現在本庁、事務所合わせて計画担当二十一人、整備担当四十一人と、極めて不十分な体制で事業推進を行っているため、連日夜遅くまで説明会を開催したり、残業、日曜返上というのが実情であります。特に古川土地改良事務所は、本県のこの事業の発祥の地であり、これまで整備率が低かったため今後事業量が一気に増大するものと考えられるものであります。そこで、担当技術者の大幅な増員と、民間コンサルの活用が急務と考えられますが、いかがでしょうか。御所見と御計画をお伺いいたします。 以上で米問題の質問を終わり、次に副県都づくりと古川地方の諸問題に質問を移します。 まず、市町村合併促進についてお伺いいたします。この問題については、先ほど木村議員からも質問がありましたが、私からも引き続き質問を申し上げます。均衡ある県土づくりが本県の緊急かつ重要な課題であることは、御案内のとおりであります。その方策として、中核都市づくり市町村合併は必要かつ避けて通れない課題であると考える一人であり、第二百三十一回定例県議会においても、本間知事にこの問題で質問申し上げていたところであります。本県の場合、人口、行政、都市機能、商業、教育、医療、あらゆる分野で一極集中している仙台市、仙台圏と他の圏域との格差を是正していくこと、多極分散の県行政を進めてまいりますことが、緊要でありましょう。その受け皿づくりのためにも、市町村合併と副県都づくりが本県の重要な課題になるでありましょう。知事は、六月十一日、仙台市内の講演で市町村合併を強調する発言をいたしておるようでありましたが、それが事実だとすれば、今後の県土づくりに重要な発言として関心と賛意を表するものであります。知事の県土づくりと市町村合併についての御所見をお伺いいたします。また、市町村合併の場合、適正規模や適正市町村数をどう想定されておられるのでしょうか。また、新長総の中で、市町村合併を新たな指針として打ち出していかれるのでしょうか、お伺いをいたします。また、この機会に行革審などでも議論されている道州制について知事はどのような所見をお持ちなのか、お伺いをいたします。 次に、今後の県土づくりの中で最も大事な副県都としての役割を担うであろう古川市の副県都づくりと、その諸問題についてお伺いいたします。 本県の県政推進上、仙台一極集中をどう多極分散し、均衡ある県土づくりをすることが重要であるかは再三にわたり議論され、知事も促進について強い意欲を持って取り組まれているところでありますが、特に県土面積の五六%を占めている県北地域をどう振興するか。その拠点都市である古川市をどう育成するかは、今後の県政にとっても最も大事な振興策でありましょう。 そこで、古川市が二十一世紀へ向けて名実ともに副県都としての機能、力量を備えられるよう、県政の立場から以下数点にわたり御提言、御質問申し上げます。 第一点は、県立大学の建設についてであります。 知事は、かねてより新・伊達なクニづくりを推進していく課題として、国際化、科学技術、文化、環境とともに、人材を大きな柱として提唱されてこられました。他の四つの柱を支えていくのが人材であり、人材を育てることが地方の時代、地域化を推進する大きなかぎになるでありましょう。しかし、高学歴化が進む中で、東北、宮城県は、全国平均の大学進学率より一〇%も下回っており、各県とも進学率向上のため対策を工夫しております。青森県では、今年度から進学率向上対策として、一校二百万円の予算を出して指定校制度を導入しております。また、新潟県や茨城県、長野県、熊本県などでも、自治体挙げて進学対策に取り組むなど、全国平均を下回る自治体を中心に三十近くの都道府県で進学率向上対策が行われております。進学だけが人材育成でないことは無論承知をいたしておりますが、進学率の低い地域は、地元に大学が少ないこと、いわば大学過疎が大きな要因になっておることは、否めない事実であります。そのような状況の中で、山形県では四年制大学、東北学術工科大学を来春開校を目指して準備中であり、新潟県でも平成六年開校の短大を初め県民挙げて大学をつくる運動を展開中のところであります。 本県の実態に目を向けてみますと、進学率において東北各県より若干上回っておりますが、全国三十九位という低位に甘んじております。しかも、県内にある大学、短大十八校のうち八八%が仙台圏に集中しており、更に県外出身者が大学で四割以上、短大でも三分の一を占めておりますことが、そのまま地元進学率の低下と地域格差としてあらわれ、仙台圏と他の圏域では一〇ないし二〇%も差が生じております。大学審議会の答申でも、大学受験人口が将来減少することにより、大都市での新増設を抑制しておりますが、学生の地方分散も含めて、地方の新増設を認めるという定数配分の是正策を示しております。 そこでお伺いいたします。今後の大学進学率向上策と、本県の県立大学の新増設に対する御所見をお伺いいたします。また、このような背景の中で、県北振興の人材育成のためにも、県北振興の中核、教育都市古川にぜひ県立大学の創設を御検討いただきたいと御提言申し上げるものであります。御所見をお伺いいたします。また、全国には、現在、県立大学三十八校、市立大学十三校、広域事務組合立一校の五十二校の公立大学がありますが、県立三十八校中十校は大学過疎を解消するためにも県都以外に建設されていることも申し添えさせていただきます。 また、本県では、現在、唯一の大学である宮農短大の県側の窓口として、総務課内で兼職で担当しておられますが、富山県では学術国際課、静岡県では企画課大学室、京都府では文教課、兵庫県では教育課などと、他県では大学振興の行政側体制を充実させており、本県でも大学問題、企画、新設などを担当する担当課を充実させるべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 第二点は、下水道事業に対する県費補助制度についてお伺いいたします。 下水道は、健康で安全な生活環境の確保と公共用水域の水質の保全を図るため不可欠の施設であり、都市化のバロメーターと言われるように、都市機能を高めるためには、最も大切な事業の一つであります。国では、都市計画中央審議会の下水道整備に関する答申の中でも、二十一世紀初頭には普及率をおおむね九〇%にまで引き上げるべきと提言を行っております。しかし、本県の場合、関係者の御努力にもかかわらず、普及率三九・五%、しかも仙台圏を除いて他の圏域の普及率は極めて低いのが実態であります。市町村にとっては、下水道事業を促進したくても、苦しい財政状況の中で巨額の経費を要することは、極めて困難を来しているのであります。そこで、拠点都市の都市機能の一つであります下水道整備を促進するためには、県費補助制度の確立が肝要かと思われますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 第三点は、江合川の江合橋下流への新橋梁建設についてお伺いいたします。 古川市は県北の交通の要衝であり、首都圏と直結いたす新幹線、高速道路を初め四路線の国道、四路線の主要地方道、九路線の一般県道が縦横無尽に張りめぐらし、県北の他の圏域と通勤通学、生活の大事な交通網の役割を果たしてきております。他の拠点都市に比べても、比類まれな交通の要衝であります。しかも今後県政にとっての大事業である拠点都市構想、リゾート構想、ハイテクアグリランド構想など、県北地方の諸施策を推進してまいりますために、古川を中心にした交通アクセスの整備は、不可欠の要素であります。しかし、古川市を張りめぐらしている県管理道路の改良率は六八%にしか達しておらず、県平均の八一・一%に比べて大幅に落ち込んでおります。市部並びに大崎地方中、最低の改良率に甘んじております。副県都機能として大事な交通網の整備に早急に取り組まなければならないでありましょう。特に、国道四号線、四十七号線の四車線化、三四七号線の改良、一〇八号線の古川東バイパスの事業促進、都市計画道路の早期完成、県道の改良、歩道整備などの促進を強く要望いたすものであります。 更に、古川地方は、大崎耕土を横断する江合川によって南北を分断され、北部圏域との交通が遮断されております。この問題を解決するためには、新たな橋梁建設が必要であると思われます。主要道路が多い割には、古川市は他の川沿いの町村に比べて、極めて橋梁の数が少ないのであります。永久橋だけでも、岩出山町内には三本、小牛田町内には三本、涌谷町内にも五本あるのに、大交通の要衝である古川市にはたった三本しかないのであります。このことが古川市と北部地方の交流を阻害しているのであります。特に、古川と気仙沼・本吉、登米地方、更には田尻方面と直結する交通アクセスが極めて不十分であります。現在この地域との交通アクセスは、主要地方道古川佐沼線、古川登米線によって直結されておりますが、この二本の県道が古川市内に入るためには、江合橋を通過しなければなりません。この橋が今圏域の中でも最も悪名高い渋滞橋なのであります。昨年実施した自動車交通量調査を見ても、この橋に最も近い江合錦町地内の交通量は、平日十二時間で一万三千百二十九台と、大崎地方の他の県道における中心市街地の交通量の三倍から五倍にも達しており、この量は、東北自動車道長者原パーキング付近、国道四号線福浦地内の交通量とほぼ匹敵し、国道四十七号線、国道三四七号線の交通量をはるかに超えております。この付近の交通渋滞緩和と、登米圏域と古川市街地東部を直結するためにも江合橋ー遠田橋間に新たな橋梁を建設し、あわせてアクセス整備をいたすことが肝要と思われますが、いかがでしょうか。御所見と御計画をお伺いいたします。 第四点は、交通管制センターの設置と信号機の高度化についてお伺いいたします。 前段申し上げましたように、増大する古川市周辺の交通量の渋滞緩和対策と交通の安全と円滑化を確保するための第五次交通安全施設等整備五箇年計画の中において、ぜひ古川地方に交通管制センターの設置と信号機の高度化を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。御計画も含め警察本部長にお伺いをいたします。 第五点は、自動車検査登録事務所古川支所の設置についてお伺いいたします。 古川市を中心とする県北の車両保有台数は三十六万九千八百三十二台と、県全体の三四%を占め、支所設置基準を満たしております。二年前に古川運転免許センターが設置されており、車関係の都市機能もますます充実いたしており、仙北地方の車産業の活性化と住民の利便を図るためにも、交通の一大結節点である古川市に自動車検査登録事務所の支所を早急に設置されるよう、国への重点要望事項として強力に運動していくことが肝要と思われますが、いかがでしょうか。見通しも含めてお伺いをいたします。 最後に、化女沼周辺の開発促進についてお伺いいたします。 栗駒・船形山ろく大規模リゾート整備地域のターミナル都市である古川市において、将来的に最も産業と観光開発の可能性を秘めているのが北部丘陵地帯であります。この地域には、神秘の化女沼、国指定史跡である宮沢遺跡、近くには、日本最古の歴史が刻まれている馬場壇遺跡など、歴史と四季を通した観光要素を持った地域であります。新幹線古川駅、自動車道路古川インターチェンジからも近く、長者原サービスエリアに隣接する好条件の観光地であります。県においても、昨年度この地域の開発を促進するために二千五百万円で大崎オアシスパーク整備計画策定調査を行っていたところでありますが、この地域の中心化女沼ダム工事が平成五年完成を間近に控え、いよいよ周辺整備計画を積極的に促進する好機を迎えております。本県を代表する観光地としての要素を秘めているこの地域開発に県が一層の努力を重ね、一大リゾート開発を進めるべきと考えますが、県において今後化女沼周辺開発をどう進められるのか、お伺いいたします。また、現在計画中の……。 ○議長(小野寺信雄君) 簡明に願います。 ◆二十二番(伊藤康志君) (続)県立広域公園施設整備事業、ハイウエーオアシス整備事業の早期導入が肝要と思われますが、御計画と見通しをお伺いいたします。 以上、各般の事業が早急に促進されることをお願いを申し上げまして、質問を終わります。 ○議長(小野寺信雄君) 知事本間俊太郎君。    〔知事 本間俊太郎君登壇〕 ◎知事(本間俊太郎君) お答えをいたします。 米の自由化問題につきましては再三お答えをいたしておるわけでございますが、昨今の米の部分自由化を認めるような発言に対しましては、大きな危機感を持っておるわけでございまして、経済的にも相当の打撃を受ける可能性がございますので、このような点も心配しているばかりではなくて、何よりも米を基幹とする本県農家の意欲が低下することを最も憂慮いたしておるわけでございます。したがって、北海道・東北知事会議の席でも、米の市場開放阻止の特別決議を提案いたしまして、採択されたわけでございます。また、多賀城市で先般行われました農業団体主催の集会に参加するなど、あらゆる機会を通じて、米は自給体制を維持すべきである、こういうことを表明してまいったわけであります。今後、更に農業関係団体と連携をとって、米の国内需給の必要性について国に強く働きかけてまいりたい、このように考えております。 次に、米問題対策会議についてでございますが、米をめぐる内外の諸情勢、大きく変化しつつあるわけでございます。いつも従来どおりの発想で米問題を考えてはならない、こういう事態に来っておるわけでありまして、このたび米問題対策会議を設置いたしたわけであります。ですから、これまでの制度とか政策にこだわらずに、やはり問題を根底からとらえ直して、自由な発想で考えていく、こういうことが大事でございまして、農政部だけではなく、全庁挙げて取り組んでおるわけでございます。当面は情報収集等に重点を置いておりますけれども、本県稲作の発展方策、更に本県農業のあり方等につきましても、総合的に検討してまいりたい、このように考えております。この位置づけにつきましては、今後の諸情勢を踏まえながら決めてまいりたい、このように思っております。 次に、新品種ひとめぼれについてでございますが、御意見のように、この品種は、コシヒカリを親としていることから、ササニシキに比べまして広範囲に栽培可能である、こういうことでございます。したがって、我々は、消費者に一目ぼれしてもらいたいと考えておりますが、生産者にも一目ぼれされるおそれがあるわけでございまして、開発県の本県といたしましては、宮城のひとめぼれということで市場の評価を早急に確立し、需要の創出と拡大を図るために新品種普及拡大戦略事業を展開してまいりたい、このように考えております。まず栽培適地を厳選しまして、生産意欲の旺盛な農家を各農業改良普及所に設置した栽培塾に登録の上、高品質米の生産の栽培技術の指導を徹底しているところでございますが、なお一層これに力を入れていきたい。このようにして精魂込めてつくられたお米は、消費者にその味を純粋な形で味わってもらいたい、こういう考え方から、専用の精米工場で産地精米を行いまして、自主流通米として有利な販売を進めてまいりたい、その地歩を築いてまいりたいと、このように希望いたしております。販売の戦略といたしましては、協議会を中心といたしまして、このひとめぼれという名前にふさわしいイメージを創造しながら、キャラクターや米袋の統一デザインの作成、あるいはPRグッズの配布、あるいは女性向けの雑誌への広告、そして東京、名古屋、大阪など大消費地に向けまして、多いに販売宣伝を展開していきたい、このように考えております。 続きまして、有機農業の問題でございますが、県内でも一般農家におきまして有機的な土づくりを通じまして、特別栽培米等の有機農業に取り組んでいるケースが見られております。しかし、米を初め、現在つくられている作物は病害虫抵抗性を持っている品種は少なく、無農薬栽培などによって収量とかあるいは品質、こういうものが低下するおそれのあることも、また一方で指摘されております。したがって、試験研究機関においては、昭和六十二年度から農業センター園芸試験場におきまして、水稲、野菜の減農薬有機栽培技術の研究に取り組んでおります。また、水稲の品種育成時におけるいもち病耐病性の検定、あるいは野菜の土壌病害耐病性品種の地域栽培適応性等々につきまして取り組んでまいったところでありますが、今後とも御指摘のような趣旨に沿って一層努力をして研究をさせてまいりたい、このように考えております。 なお、有機農業とは一体何か、こういう定義につきましては、いろいろな意見がございまして、その基準とか表示についても明確な基準がありません。したがって、国においては、平成元年度でこの対策室をつくっておりまして、検討いたしておりますので、我が県といたしましても、これらとも連動しながら、今後有機農産物というのは一体どう基準を考えていくべきなのか検討してまいりたい、このように思います。 次に、ササニシキのいもち病耐病性品種であります東北IL系統についてでございますが、この系統をササニシキの同一品種として登録し、流通させるためには、玄米の形質とか形状、こういったものの同一性あるいは耐病性の検定等について試験を重ねる必要があります。また、県の奨励品種に採用するためには、三年間の調査が必要でございます。ですから、平成四年度まで実施する予定となっておりまして、その結果を踏まえて、今後省農薬でありますとか低コストでありますとか、こういうことを含めた普及のための可能性を、これも検討しなければならないと考えております。 次に、二十一世紀型の農業推進本部の設置についての提案でございます。新たな展開方向の推進につきましては、御意見にもありましたとおり、地域の特性を生かしながら、市町村、そして農業団体、さまざまな関係者と一体となって県民総実践のもとに、各種の施策を展開してまいりたい、このように思っております。農政懇談会で計画の説明及び推進について理解と協力をお願いしておるところでございます。今後この推進については、いろいろと知恵を絞ってまいりたいと思います。 次に、御提案のあった県民連合審議会の設置につきまして、各界各層で活躍している方々を委員とした農林水産業振興審議会が設置されておりまして、広く御意見をちょうだいしておるところでございますが、今後長期総合計画の策定に当たりましては、総合計画審議会等を体制を整備してまいりますけれども、それらの下部にはいろんな部門的な検討の機会もつくらなければならないと考えております。それらの中で、御提言の趣旨も生かしながら、今後そのような体制をとるように努力してまいりたいと思います。 第二点の圃場整備の推進でございますが、当面の目標といたしまして、宮城県農業の新たな展開方向に即しながら、平成七年度までに新たに八千四百六十ヘクタール、これを整備いたしまして、整備率四四%を目標といたして実施しております。また、二十一世紀に向けた長期的な計画につきましては、第三次宮城県長期総合計画の見直しの中で行いたいと、このように考えております。また、この計画の策定につきましては、稲作を基幹とした土地利用型農業の振興というものはどういうふうに図っていくことが重要であるか、こういうことも十分考えまして、積極的に整備目標の設定に努めてまいりたいと考えております。 次に、組織の問題でございますが、圃場整備事業に対する啓蒙を図るということが大事でございますが、土地の利用計画、農地の利用集積など、地域農業のあり方を検討するために、それぞれの地域ごとに県、市町村、農業団体、農家代表、こういうもので構成するほ場整備事業推進協議会などを設置しておるわけでございますが、こうした組織活動が事業を促進する上で極めて大切でございまして、今後より一層組織強化に努めてまいりたいと存じます。また、人員確保の問題でございますが、今日の社会経済情勢の中で、県の技術職員を大幅に確保するということは、なかなか難しい点がございます。しかしながら、農業振興の基礎となる圃場整備事業の推進というものは極めて重要でございますので、今後とも人員の確保並びに適正配置について、なお一層努力をしてまいりたいと思います。御意見にありました業務のOA化でありますとか、職員に対する技術研修の実施、あるいはコンサルタントを活用した業務委託、こういうものも含めて整備をいたしてまいりたい、このように思います。 続きまして、副県都づくりと古川地方の諸問題についてお答えをいたしたいと思います。 県内各圏域の中核都市を育成するということは、先ほど御答弁させていただいたわけでございますガ、やはり今後も広域圏を単位とする行政の展開あるいは行政サービスの高度化、こういうものが必要でございます。したがって、市町村合併も含めた広域行政のあり方の検討もまた今後の課題であると考えておりまして、さきの講演におきましても、重要な検討課題である、こういうことを申し上げたわけでございます。したがって、市町村合併というものは、県民の皆さんとよく議論していく必要があるというふうに考えておるわけでございますが、この合併は、自治の基本にかかわる問題でもございまして、地域の自主性も十分に尊重してまいらなければなりません。したがって、基本的にはそれぞれの地域においてそのような動きなり、検討なり、そういう高まりが必要でございまして、そういうことが第一と考えております。また、そのような動きが出てまいれば、先ほど御意見に対しましてお答え申し上げましたとおり、県としての役割というものを果たす考えがあるというわけでございます。 また、市町村の適正規模等はどうかということでございますが、現在の行革審等でも、全国を三百ないし五百ぐらいの規模にしたらどうかというような意見も出たようでございますが、これが答申に盛り込まれるかどうかはなかなか難しい問題もございます。つまり、全国一律に、一概に論ずるということは難しいのではないか、こういう意見もあるわけでございまして、それぞれの地域の地理的な条件、歴史あるいは合意の可能性、こういうことを勘案する必要があるわけで、今後県民の皆さんと、あるいは長期構想策定の過程で議会の皆さんの御意見等々よくお聞きして、話し合いを進めてまいりたいと思います。 次に、道州制の問題でございますが、それぞれの地域の特色を生かしながら、多様で自立的、そして独創的な地域をつくっていくということは、今後も重要でございますが、まず我々が現在求めておりますのは、やはり地方への権限の移譲、こういうことをもっと抜本的に行って、地方分権の仕組みというものを整備していくということが必要であるというふうに考えております。その上でより広域的な行政規模というものが必要であるかどうか、これは将来議論していくべきものであると考えております。 続きまして、大学等の問題でございますが、本県における大学進学率が全国平均に比べて低いということは、御指摘のとおりでございます。この大学進学率と大学の数の問題は、必ずしも連動してはおりません。本県は、地方としては大学が集積している地域でありながら低いということも一面あります。あるいは東京都なども三三%ぐらいの進学率、宮城県よりは高いわけですが、あれだけの大学がありながら、そのような進学率という地域もございます。したがって、まず大学進学率の改善のためには、各学校等におきましても、適切な進路情報を提供して、進路相談というものを充実させるということ、あるいは学習指導を強化する、学力を向上させるということ、あるいは三者の面談等を行って、生徒そして父母の進路意識をもっと大学へ行くべきだと、こういう考え方を深めて、広く啓蒙していくということも必要ではないかと、これが第一に問題でございます。ですから、こういうことで各学校が更に積極的に取り組むことを期待しまして、県といたしましても、今年度新たに予算措置を講じておりますし、きめ細かな進路指導が各学校で行われるよう指導してまいりたい、このように思っております。 しかし、大学の問題もまた重要でございまして、人材育成等につきましては、これまでも私どもとしても努力をいたしてまいりました。例えば東北大学など国立大学の学部、学科の充実に協力をいたしてまいっておりますし、石巻専修大学あるいは中小企業大学校、こういうものを誘致いたしておりますとともに、二十一世紀プラザでありますとか、工業技術センター等におきまして、先端技術者の育成事業に取り組んでまいったわけでございます。しかし、最近の急激な先端産業の立地に伴いまして、技術者が不足しつつある、あるいは農林業、水産業、このような一次産業の後継者不足の問題、あるいは福祉医療等のマンパワーの問題、当面する人材に関する課題が大変多くなってまいっておりまして、来るべき二十一世紀を考えますと、高度な専門性を持つ人材なり、国際性を持った人材なりの育成というものは大変大切になってまいっておりますことは、御意見のとおりであります。したがって、これらの課題に対応するために、新たな長期総合計画策定の中で、どのような人材育成を大事にしていくべきか、こういうことですね。検討の大きな柱としてまいりたいと考えておりますが、大学高等教育機関の新増設の問題や誘致の問題等々、幅広い観点からこの人材育成問題につきましては議論し、また我々としても真剣に検討いたしてまいりたいと思います。 また、大学を担当する組織が必要ではないかということでございますが、まずそのような大きな人材育成の方向をつくるということが今のところ重要でございまして、それらの方針ができた後に、これらも必要であれば検討してまいりたい、このように思っております。 続きまして、下水道整備の問題でございますが、市町村の事業として位置づけられておるわけでありまして、多額のお金と期間を要するということでございますから、市町村におきましては、その対応に苦慮しておるところも出ておるわけでございます。現在本県の下水道普及率は四二・八%と、平成二年度末でございますが、このようになっておりますけれども、今後本県の大きな課題でございまして、未着手町村の新規着手、このようなことが今後我々として努力しなければならない問題でございます。しかし、一方では、下水道の整備促進を図るためには、広域的な流域下水道事業も推進してまいり、今後もこのような考え方を進めていかなければならないと思っております。今後総合的な検討を加えまして、市町村下水道事業に係る国庫補助対象範囲の拡大などにつきまして国へ強く要望してまいりますほか、その動向を踏まえながら、これに対応してまいりたい、このように思っております。 次に、古川市における江合川への新たな橋梁の建設についてでございますが、現在登米圏域から古川市内に入るためには、県道古川登米線、古川佐沼線の二つの路線を主に利用することになり、いずれも江合橋を通っておるわけでありますけれども、これが渋滞を来しているということは御指摘のとおりであります。県といたしましても、江合橋の右折レーンの設置など、渋滞対策を行ってまいりました。抜本的な解決を図るためには、市の土地利用計画による道路網のあり方、そして都市間道路整備計画など、周辺町村のかかわり合いを含めまして、圏域としての道路ネットワーク計画をする必要があります。今後は、古川市の計画の意向を踏まえて調整を図りながら検討してまいりたい、このように考えております。 次に、自動車検査登録事務所の支所の設置でございますが、住民の利便のためにも、また業界の活性化のためにも必要でありまして、県といたしましても運輸当局に対しまして要望いたしてまいりました。問題は、今後設置場所でありますとかプレートの名称、これで県北がまとまるかどうかというような、調整しなければならない問題があるわけでございまして、これらがコンセンサスを得られれば、可能性は非常に高いと思うわけでございまして、このための努力を関係団体あるいは市町村と一緒にいたして、引き続いて努力をしていきたい、このように思います。 それから、化女沼周辺の開発でございますが、県としましても、これらの事業が実施されるダム周辺環境整備事業を実施しておりますが、これらを含むおよそ二百二十ヘクタールにつきまして、大崎のオアシスパーク整備計画策定のための調査を行ったわけでございます。今後、既に着手している事業との整合性を図りながら、お尋ねのハイウエーオアシス構想をも考慮いたしまして、化女沼周辺地域の公園整備に向けまして、事業手法をまず検討しなければいけませんので、これらを検討した上で事業化に向けて建設省に働きかけてまいりたい、できるだけ早く努力をいたしたい、このように考えております。 ○議長(小野寺信雄君) 警察本部長杉山説男君。    〔警察本部長 杉山説男君登壇〕 ◎警察本部長(杉山説男君) 伊藤議員の御質問にお答え申し上げます。 古川市周辺の交通渋滞緩和対策と交通の安全と円滑化確保のための交通管制サブセンターの設置及び交通信号機の高度化改良についてであります。 まず、交通管制サブセンターの設置についてでありますが、古川市周辺の交通渋滞につきましては、御指摘のとおり、年ごとに交通量が増加し、交通渋滞が一層顕著になってきているところであります。県内の交通管制サブセンターにつきましては、昭和六十三年に気仙沼市に、平成元年度に石巻市にそれぞれ設置し、交通流の円滑化を図り、都市交通機能の確保を図っているところであります。古川市周辺に交通管制サブセンターを設置してはどうかという御提言でありますが、警察庁で示した設置基準等もあり、この点も踏まえながら今後検討させていただきたいと考えております。 次に、交通信号機の高度化改良についてでありますが、円滑な交通流を確保するために、交通信号機の高度化改良は極めて有効な施策であります。そこで、古川市周辺につきましても、交通量、交通流、交差点間隔などの交通の実態を踏まえ、これまでも交通信号機の系統化、連動化、時差式信号機、右折青色灯火信号機の設置等の高度化改良に努めてきたところであり、第五次交通安全施設等整備事業五箇年計画の中におきましても、交通の実態に対応した交通信号機の高度化改良に努めてまいる所存であります。以上であります。 ○議長(小野寺信雄君) 暫時休憩をいたします。    午後二時四十一分休憩  ────────────────────────    午後三時十二分再開 ○副議長(根深善雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。十四番村上敏子君。    〔十四番 村上敏子君登壇〕 ◆十四番(村上敏子君) 私は、今県民の命を守る上で、一刻も猶予できない問題として、医療問題についてお伺いいたします。 医療問題の第一に、今県内で大きな社会問題になっている救急医療についてお伺いします。 去る五月二十七日未明、交通事故の負傷者が仙台市立救急センターのベッドがいっぱいで、受け入れを拒否された問題をめぐり、県内の救急医療の体制の不備が大きく浮かび上がり、県の役割にも改めて批判が集まっています。県内の救急医療の実情は、救急統計にもあらわれているように、救急車の搬送件数中、二十分以内で医療機関に搬送できたのは、全搬送件数中三分の一にすぎず、二時間以上もかかっているのが百六十四件もあります。いわゆるたらい回しが年間九百五十六回にも及んでいます。先日も岩沼の小学校で運動中の生徒が骨折したとき、平日でも午後一時ごろから二時間余り受け入れ病院探しにかかったそうです。私は、消防署の救急隊員に直接聞きましたが、受け入れ病院を探すのに時間がかかり、手おくれになり死亡したこともあるそうです。 隣の福島県ではうまくいっているとの情報を得て、私は福島県と岩手県の救急医療対策を調査しました。いずれの県も救急患者のたらい回しは全くない。それは十年以上前の話で、県は解決のために大きな努力を積み重ねてきて解決したとの話には驚くばかりでした。更に、福島では十一の県立病院と医科大学を持ち、医療の過疎地域をなくし、救急医療を充実させています。岩手県も二十八の県立病院を持ち、医療の過疎地域をなくし、県立病院が中心となり、夜間の二次救急輪番制を確立しています。県立病院には百四十四億円も年間一般会計から繰入金を出しています。五分間救急から三分間救急を目指しているそうです。こんなに近い県との間に何と大きな差があることでしょうか。宮城では県立病院は三つしかありません。たらい回しは年じゅう耳にしますし、二十分以上も時間がかかる救急搬送に六割も残しており、三時間十八分もかかったときもあります。 こうした実態を隣接県と比較し、一体知事はどうお考えでしょうか。歴史的にそれぞれの県の医療の成り立ちが違うというなら、宮城は歴史的にいかに救急医療をなおざりにしてきたかが一目瞭然ではないでしょうか。知事が医療に熱心だったからだと端的に岩手県庁職員は言明しました。本間知事が本気になって県民の命を守ることを真剣に考えて救急医療に取り組むなら、解決はできると思います。歴史的に大きく立ちおくれた宮城の救急医療対策への姿勢を転換させ、抜本的に強化して取り組むべきですが、知事の御決意をお伺いします。 私は、県内の民間病院の救急医療の現場へ足を運びました。交通事故の二十一歳の青年が生命をとりとめた事例を聞きました。事故発生後、近くの病院で緊急の措置をし、ICUの施設のある病院へ送られました。もし初めの手当てが二十分おくれたら、命が失われるような重傷だったそうです。直ちに断層写真を撮り、ICUにおいて必死の手厚い治療の結果、生命の危機を乗り越えて一般病床へ移す見通しもついたとの話でした。こうした高度な設備や医師、看護婦、レントゲン技師等の二十四時間のマンパワーの体制は、赤字を抱えながらも命を守る使命感で、民間でも必死に頑張っているのです。頭が下がる思いがしました。しかし、どこまで耐えられるかとの悩みも聞きました。県民の命を守るための、こうして努力をしている医療機関に対して、温かい援助や励ましが必要なのではないでしょうか。別な病院では夜のマンパワーの体制がとれなくなり、ついに救急医療から手を引き、夜は断るための事務員のみ配置した病院も出てきています。その結果、夜間救急をやっている病院へのしわ寄せが増大するなど、夜間の救急医療はますます深刻化しています。県は夜間の二次救急のために、病院の現場でどんな困難を抱えながらやっているのか、また、行き詰まる原因は何なのか、深く実態を調査する必要がありますが、知事の御所見をお伺いします。 厚生省の昭和六十一年一月三十日付通達は、県に対して救命救急センターについての指導の徹底が要請されています。問題になっている仙台市立救急センターは、県の第三次救急医療の位置づけをし、国で決めた要綱に基づき、県が要請をしてつくったことになっています。仙台市立救急センター問題は、県が大きな責任を負っているのです。全県的な視野からつくったにもかかわらず、連携を密にすべき一次二次の救急医療体制が未整備であったため、重篤救急患者の医療が確保できなくなってしまったのです。県の情報センターも、緊急の場合、生きた情報として使えないと、市消防局関係者が語っています。知事はこうした問題点を直視し、県が果たすべき最大限の力を発揮し、市や関係医療機関や消防機関の力を結集させて協議機関をつくるなど、特に困難な夜間の二次救急医療体制を確立するために、直ちに具体化すべきですが、知事の御決意をお伺いします。 次に、具体的に夜間の二次救急医療の輪番制方式の充実についてです。県は国の要綱に基づいて病院群輪番制の補助制度を適用してきましたが、全県を七地域に分けたうち、三地域しか整備されておりません。特に仙台地域は仙台医療圏と同じで、人口百二十万の広大な地域なのに、平日の夜間はオープン病院一カ所にしか助成されていません。仙台市内の救急車搬送の六%しか受け入れておりません。亘理、岩沼、仙台、塩釜、黒川郡を抱合する圏域で、一病院にしか助成しないのは、必死で頑張っている各地域の医療機関の努力を全く無視しています。この一事を見ても、いかに県がおざなりの救急医療しか考えていないかという姿勢があらわれているのではないでしょうか。仙台市から二次救急医療のためにも分割してほしいとの要請書が出されています。仙台市内は区ごとに分割すべきだとの要望も出ていますが、少なくとも保健医療圏ごとには分けるべきです。他県でも地域医療圏よりも小さく分割しています。参加病院は思い切ってふやすべきです。福島では一地区ごとに十から二十病院を参加させて輪番制を組んでいますし、更に各病院の救急専門病床を登録し、地区ごとに六十床以上の数になっています。輪番制を整備すれば助成金もふえるのです。宮城は岩手県の三分の一以下の助成金にとどまっています。空きベッド確保料に県独自の助成金を出すなど、先進県に学ぶことが必要ではないでしょうか。県立病院が少なく、衛生費が県財政に占める割合が全国四十六位にとどまった悪名を克服し、財政力第十六位の力を差し迫る医療に振り向けて、独自の救急医療への助成金にも踏み切るなど、積極的に整備すべきですが、知事の御所見をお伺いします。 仙台医療圏は四地区の地域医療対策委員会にまたがっており、こうした整備を進めるために、県の指導、援助が今具体的に求められています。知事の御所見をお伺いします。 救急告示病院も全国平均をはるかに下回っていますが、昭和六十二年度より減っており、現在五十五カ所になりました。申請が出ているのに許可をしないなど、問題であります。条件整備へ助成するなど、ふやす努力を強めるべきですが、御所見をお伺いします。 次に、県の情報センターについてです。消防の現場からは、情報センターからの情報は、緊急の場合、実際上生きたものとして使えないとの批判も強まっています。要綱では一日四回医療機関からの情報を入れることになっていますが、今二回にとどまっています。ランプがついていても実際に行ったら受け入れ拒否をされたなどの問題を解決し、特に夜間の医療機関からの情報をふやすなど、常に実効性ある生きたものにすることが求められています。県は医師会の情報センターに委託契約をしていますが、百四十七の医療機関への問い合わせや生きた情報にする協力要請は、県自身の努力が必要なのではないかと思いますが、どのようにされていかれるか、明快にお伺いいたします。 次に、医療問題の第二に、県民の命を守るとうとい仕事である看護婦さん増員対策についてお伺いします。 私は、これまで本議会で、また委員会の中で繰り返し看護婦増員対策について質問してきました。看護婦さんの過酷な労働条件の改善や増員問題はますます大きな社会問題になっています。国会での論議も進んでいます。政府は、各都道府県に対し現行の看護婦需給見通しを見直し、今後十年間の需給見通しを六月末までに提出するよう通知しました。県は特に見直しに当たり、昨年九月議会で採択した請願書の中身を極力盛り込むことが必要です。夜勤は二人以上、月六日以内、少なくとも月八日以内の即時実施のための増員計画、週休二日制の早期実施のための増員計画、年休、産休、生休、妊産婦の夜勤禁止のための代替要員の確保などを積極的に盛り込むよう県は努力すべきですが、どのようにつくっておられるのか、お伺いします。 また、県は昨年度の予算で看護婦実態調査をされましたが、回収は既に昨年十一月に終わり、まとめた後公表するとのことでしたが、どんなことが明らかになり、この結果をどう生かそうとしているのか、大要をお伺いいたします。 看護学校の入学希望者は定員の六倍以上です。患者の命を守るというやりがいのある職場として高校生が看護学校を選ぶ人が多いことは、大変歓迎すべきことです。既にアメリカなどでは希望者がなくなってきている現状を聞くにつけても、今看護学校を数多くふやして増員し、労働条件を改善することが重要なのです。県は高等看護学校の増設を積極的に進めるべきですが、知事の御所見をお伺いします。県は、今後県立総合衛生学院の短大化へ向けて努力されておられますが、総合衛生学院のあいている敷地を使って増築し、臨床看護学科の学級増も実現すべきではないでしょうか。御所見をお伺いします。 また、民間の看護婦養成所の定員枠の拡大や増設や県の助成をふやすことも必要ですが、御所見をお伺いします。看護婦養成に当たり、県は実習病院の確保に大変苦労されていますが、一方、実習病院側でも、実習生に手とり足とり指導するので、付きっきりでないとできない。そのための看護婦の増員もしてほしいとの切実な要求も出ています。実習病院の臨床指導者について、基準看護とは別枠の看護婦配置が制度化されるよう関係機関に対する働きかけが必要ですが、どうお考えでしょうか。さしあたり、実習病院に対する県独自の大幅な助成が求められています。どのように対応されるのか、お伺いします。 看護婦不足問題は刻々と深刻の度を加えています。月十日以上の夜勤でついに倒れたとか、妊娠異常や異常出産が相次いでいるなど、一刻を争って解決が急がれています。行き届いた看護ができるように、県民が安心して医療にかかれるように知事の格段の努力を期待し、答弁を求めるものです。 次に、ゴルフ場問題についてお伺いします。 県は、県土の無秩序な開発を防止するために、大規模開発指導要綱をつくり、ゴルフ場の面積は原則として当該市町村面積の二%を超えてはならないと決めています。そこで、まず原則二%枠についてお伺いします。大郷町は既に町の面積の二%以上のゴルフ場が建設されているのに、最近知事は更に松島グリーンヒルズカントリークラブのゴルフ場の事前協議のゴーサインを出し、このまま許可されるならば四%を超えるゴルフ場面積になります。これは森林保護や農薬汚染防止のために規制強化を求めている多くの県民に対する真っ向からの挑戦であり、しかも県みずからが決めている指導要綱の原則に完全に違反するものであり、絶対認めることはできません。このゴルフ場が許可されるならば、今後二%枠の拡大に道を開くことになるものであることは明らかです。このような重大な内容を持つゴルフ場計画に対する事前協議のゴーサインは撤回すべきであります。知事の明快な御所見をお伺いします。 次に、釜房ダムに隣接して計画中の杜の公園ゴルフ場についてお伺いします。百万都市仙台市民の貴重な飲み水の水源である釜房ダムに直接面して計画されているゴルフ場建設に反対する運動は、仙台市民を初め川崎町民や閖上の漁業関係者にまで広がっています。昨年六月議会以来、私は本会議や委員会で質問を続けてきましたが、本ゴルフ場の計画がいかに無謀であるか、一層明らかになりました。最近仙台市の水道水から農薬が検出され、大問題になっています。仙台市水道事業管理者は、浄水場や水源地付近での農薬空中散布の中止を要求し、水道水から農薬が微量でも検出されることは絶対あってはならないと、断固たる姿勢を示しています。釜房のゴルフ場は位置関係からして、ゴルフ場の建設そのものをやめない限り、農薬がダムに散布され、あるいは流入することは避けられないと思いますが、知事の御所見をお伺いします。 水道法からも改めて市の意見を聞き、安全な水を守る責務が県にありますが、どう対処されるかお伺いします。釜房ダムは既に水質汚濁がひどく、湖沼法の指定を受け、汚染源を規制しています。田んぼの肥料さえ流出しないように深く掘る側上施肥法が行われています。田んぼが閉鎖系であるのに対し、ゴルフ場は開放系であり、使用された農薬や肥料の大部分が雨とともに一挙に流出し、ダムに流れ込むことは明らかです。湖沼法の水質保全計画に完全に逆行するゴルフ場の新設は絶対認めるべきではないと思いますが、知事の御所見をお伺いします。 雨水対策も問題です。昨年知事答弁でのバイパス的排水路の整備も採算上不可能となりました。残る調整池をつくって対応することについても、専門家の計算によれば、十ミリの雨でも小学校のプールの六、七杯分にもなり、国見浄水場規模の処理場でもつくらないと処理できず、実現性はないとの指摘です。雨水対策はどうするのか、明確にお答えください。計画地は自然環境保全地域に指定されており、現に百十八ヘクタールは森林の機能を果たしており、自然環境保全条例に照らしても開発は許されません。災害の危険性があるからと開発を許す理由に挙げていましたが、十七年間災害の危険があったことも、危険防止の勧告を行ったこともないことが明らかになりました。湖沼法など関係する法や条例との十分な検討や確認もなく、大規模開発行為事前協議の準備開始通知をしたことは、県が決めたゴルフ場建設にかかわるフローに完全に違反するもので、重大問題であります。既に土地が売買されてしまったからということで許可せざるを得ないと万一考えるならば、仙台市民の飲み水と命にとって取り返しがつかない事態になりかねません。知事は仙台市民の貴重な水がめと命を守る立場に立って、釜房の杜の公園ゴルフ場の事前協議の準備開始通知を撤回すべきですが、御所見をお伺いします。 次に、消費税の県民への負担転嫁についてお伺いします。 知事は本議会の冒頭、消費税を一般会計の公共料金に新たに負担転嫁することを明らかにしました。九月議会に提案予定とのことですが、その説明で、知事は国民の理解と協力のもとに消費税が定着しつつあるところでありますと述べていますが、多くの県民は生活を圧迫する消費税の廃止を強く願っています。消費税の実施後に新たに消費税をなくす会を中心に廃止を求める署名運動が県内でも大きく広がっています。重い負担に苦しむ低所得者やお年寄りたちを初め多くの県民は、消費税を廃止することを決してあきらめてはおりません。知事は消費税廃止を公約されたのではないでしょうか。今回知事が一般会計への負担を転嫁することは、政府の方針に従い、公約違反の不当な消費税を国民の中に定着させるための手助けをすることになるのです。知事はまた全党合意のもとに消費税法が一部修正されたことをもって定着されたと言っておりますが、問題のすりかえであります。我が党は消費税廃止を一貫して主張しています。しかし、今すぐ廃止できない状態のもとで、今回の見直しは一定の改良となり、国民負担の軽減となるので、この改善点に限って法案に賛成したのです。しかし、食料品を除外したという大きな問題が残っていることを初め、国会の税制合同協では廃止を含めた論議が引き続き行われ、決着がついた問題ではありません。愛媛県ではことし四月から国の関与分を除いて一般会計及び企業会計への負担転嫁を廃止しています。こうした動きもある中で、県が新たに一般会計分について負担転嫁するのは、県民の負担を軽減する方向とは完全に逆行するものであり、やめるべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いします。 次に、米輸入自由化についてです。総理府の世論調査でも七三%が米輸入自由化に反対しています。食糧の自給は世界の常識となっており、アメリカやECも輸入を制限しています。アメリカの言いなりに日本だけが自由化する必要は全くありません。日本の食糧自給率は年々引き下げられ、今や世界最大の食糧輸入国です。しかも輸入食品の残留農薬問題が社会問題化しています。主食である米の自由化を許さないということは、命を守ることと国の主権を守るためにも重要です。更には環境を守るためにも、また地域経済を守るためにも、自由化に反対する態度を知事は最後まで貫くべきですが、御所見をお伺いします。知事は六月三日、庁内に米問題対策会議を設置されました。先ほどもお答えがありましたが、特にその目的については、米の自由化後の対策ではなく、自由化阻止のための対策会議であるべきですが、知事の明快な御所見をお伺いします。 最後に、当面する県民の最大関心事となっている小選挙区制導入についてお伺いします。 今海部内閣は小選挙区制導入を強行しようとしています。今回の答申にはすべての野党が反対しているものです。自民党内にも反対論があります。政府・自民党の小選挙区制導入案は過去三回の総選挙の得票で試算しても、自民党だけが四割台の得票で八割の議席を占め、衆議院で圧倒的多数を握ることになります。他方では、五割以上の国民の投ずる票は死に票とされ、国民主権の根幹が損なわれることになります。この小選挙区制導入案は、自民党が参議院で少数でも、どんな法案も衆議院での三分の二以上による再採決で押し通されることになり、自民党の永久独裁と国会支配の拡大につながるものです。政治改革とは本来金権腐敗政治にメスを入れることですが、この小選挙区制導入は奄美区で実証されているように腐敗と不正を拡大するものになりかねません。国会の決議どおり、現行の中選挙区で一票の格差是正を行うことこそ直ちに着手すべきであり、小選挙区制の導入は阻止すべきであります。議会制民主主義の根本を全く踏みにじるもので、絶対許すことはできません。県民の将来にわたって重大な影響を及ぼすことになりますので、知事の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。 ○副議長(根深善雄君) 知事本間俊太郎君。    〔知事 本間俊太郎君登壇〕 ◎知事(本間俊太郎君) それではお答えいたします。 御質問が多岐にわたりますので、できるだけ要点を整理してお答えを申し上げたいと思います。 まず、救急医療に取り組む基本姿勢についてでございますが、本県の救急医療につきましては、地域の医療施設の協力を基本に、地域医療システムの一部として、宮城県地域医療協議会や、あるいは各地域の地域医療対策委員会での協議、検討のもとに推進してきたわけでございます。この問題は、今後とも県民の皆さんの生活のために大変重要な課題でございますので、私どもとしてはいち早く宮城県救急医療懇談会等を設置いたしまして、提言も求めてまいったわけであります。また、県の地域保健医療計画等々もございますので、これらを踏まえて救急医療体制の整備に一層の努力をしてまいりたい、このように考えております。これまでもお答え申し上げてきたとおり、本年度は古川市への高次救急センターの設置等に向けまして、基本構想を策定いたすことにいたしております。 次に、一つ、二十四時間体制で努力している医療機関に対する援助、二つ目として夜間輪番制方式充実のための県単助成金、三つといたしまして、救急告示医療施設をふやすための条件整備に対する援助等、助成に関する御質問にお答えをいたしたいと思います。 救急医療を円滑に運営するためには、一次から三次にわたる救急医療の連携が重要でありますことから、これまでもシステムの整備を前提に進めてまいりましたので、今後ともこのような方向で推進していく必要があると考えております。また、医療費用の負担は、診療報酬制度を基本に行われておりまして、時間外診療に対する加算も認められていることから、引き続き診療報酬制度の中で改善を要求してまいりたい、このように思います。 次に、夜間の救急医療に関する実態調査につきましては、従来から宮城県地域医療対策協議会や各地区の地域医療対策委員会の場で絶えず協議されてまいっておりますので、このような中で実態を把握しているものと考えております。協議機関の設置につきましても、各地域ごとに医療事情が異なりますので、一義的にはそれぞれの地域医療対策委員会で、まず協議していただくということが適当であろうか、このように思います。 次に、夜間の輪番制方式の充実を図るために、保健医療圏ごとに分割して参加病院をふやすべきではないかということでございますが、医療動向は、特に宮城県の場合、東北大学あるいは国立病院、こういうものが仙台市に集中している、こういうことでございまして、集中してはおりますけれども、高次に集積されている医療機能、こういうものは他県にもないものでございまして、これはむしろ広域的に活用していく、全県としてこれらを活用していく、こういうことが正しい発想ではないかと考えておりまして、そのために二次医療圏も設定されておるわけでございます。ですから、分割するというよりはむしろこれらの地域の連携というもの、病院間の連携というものをいかに今後強化していくかということが重要であると考えております。 なお、四地区地域医療対策委員会にまたがっている仙台医療圏の整備のための県の指導に関する御質問でございますが、一義的には政令市であります仙台市が対応するものでございまして、その圏域内で協議していただくということが望ましいと考えておりますが、もちろん、我々としてもこれを支えてまいりたい、支援してまいりたいというふうにも考えております。 地域医療情報センターの件でありますが、先日も県の医師会や救急医療情報システムに参加している医療施設に協力をお願いいたしたところでございます。きのうも今野議員にお答えいたしたとおり、やはり機能が十分ではないというような御意見もございますので、十分その機能を発揮できるような体制を組むよう、関係機関と今後とも話し合いを進めてまいりたい、このように思います。 お話のありました看護職員需給見通しの問題でございますが、現在見直しの作業を継続しております。更に、昨年末に実施いたしました調査においても、病院全体として不足している、こういう状況も出ておるようでありますので、これらの調査結果なども十分加味して判断していきたい、このように思っております。この看護職員の養成、確保対策の一つであります看護学校の増設、増員等の件につきましては、これも既にお答えいたしておるわけでございますが、検討を今後進めていくということでございます。 また、実習病院における実習指導者の別枠の配置については、国などに働きかけてまいりたい、このように思います。なお、実習病院へ助成したらどうかということでございますが、看護婦等養成所に対する運営費の補助の中に含んでおりますことから、このための新たな助成というものは困難ではないか、このように考えておるわけでございます。 次に、ゴルフ場問題でございますが、今後の県政の重要な問題の一つとして、自然と調和した地域づくり、あるいは環境問題を重視した地域づくりということを私どもとしては基本的な姿勢といたしております。このような考え方で今後とも取り組んでまいりたいと思いますが、自然の保全と開発の調和ということが非常に大事でございます。御質問にありました大郷町のゴルフ場問題でありますが、既に既設ゴルフ場で町面積の二%を超えておるわけでございますが、例外的取り扱いといたしまして、今回事前協議の準備開始通知を行ったものであります。この計画は、大郷町国土利用計画の中に、レジャーレクリエーション施設として位置づけられ、町議会の承認も得ておりますし、また、町自体といたしましても、地域振興に寄与する事業として、町を挙げて積極的に促進したいとの意向であることなどから、大郷町の地域特性等を総合的に勘案し、建設もやむを得ない、このような判断に立ったものでありまして、準備開始通知を撤回する考えはございません。 なお、例外規定の取り扱いに関しましては、平成二年九月議会におきましてお答えいたしましたとおり、環境保全の立場から、その適用に当たりましては今後とも極力最小限にとどめたい、このように考えております。 次に、バリハイゴルフ場の計画につきましては、農薬の使用等に当たって、ゴルフ場における農薬の安全使用に関する指導要綱を遵守するほか、農薬除去の対策、農薬の減量化及び低毒性農薬の使用等、安全対策が十分講じられる必要があると考えております。 水道法との関係につきましては、法に定める水質基準を守っていくことは当然のことでございまして、水道事業者との協議についても大規模開発行為に関する指導要綱に基づく事前協議及び都市計画法による開発許可等、関係法令に基づく各種手続と並行させながら、今後とも連絡調整を図るよう指導してまいりたいと考えております。 釜房ダムの水質の浄化については、湖沼法に基づく釜房ダム貯水池に係る湖沼水質保全計画、これの水質目標を達成するために、地域の住民の方々、関係機関が協力して鋭意努力いたしておるところであります。 雨水対策につきましては、現在事業者において専門家の意見を聞きながら、具体案を検討中であり、その結果を待って釜房ダムに汚濁水等の影響が出ないよう指導してまいる考えであります。 なお、事前協議の準備開始通知につきましては、十分な対策を講じることができると考えておりますことから、撤回する意思はございません。 次に、消費税の問題についてでございますが、昨日石橋議員の御質問に申し上げたところでございますが、先般全党合意のもとで消費税の見直し等が実現を見たところでありまして、その内容を見ましても、住宅家賃あるいは教科用図書、更には助産費用等について非課税扱いにされるなど、一定の範囲で私どもの意向が取り入れられ、県民の声も反映された内容となっております。御指摘のように、食料品その他は今後の課題であろうかと思いますが、県の関係する消費税問題では住宅家賃が非常に大きなものであったわけでございまして、我々はこれを課税しないで頑張ってきたために非課税となったと考えておるわけでございます。今後は使用料なり手数料のみが県の関係する消費税に関する問題でございますので、全党で見直しが行われたということは、やはり国民の代表でもございますので、十分このような問題を勘案しながら、本県においても今後検討してまいらなければならない、そういう事態になっているという趣旨を申し上げたものでございますので、御理解をいただきたい、このように思います。 米の輸入自由化につきましては、国民の基礎的食糧としての米の自給体制を維持すると、こういう立場から自由化を認めることはできません。今後とも米の市場開放を行わないように、国に対しまして強く要望してまいりますとともに、あらゆる機会をとらえ、米など基本の食糧の自給の重要性について、生産者のみならず、消費者の皆さんにも十分理解していただくよう努めてまいりたいと思います。また、米問題対策会議は、今後の我が県の米の生産の諸問題について十二分に検討をいたしたい、こういう考え方で設置いたしたものでございまして、中長期的視点に立ちまして、技術の問題、土地改良の問題、後継者の問題等々、総合的に検討いたすために設置いたしたものでございます。 小選挙区制の導入についてでございますが、御案内のとおり、平成元年六月に第八次選挙制度審議会が発足し、選挙制度等の改革について諮問され、昨年四月及び七月になされた答申の中で、衆議院議員の選挙制度改革の方策として、小選挙区比例代表並立制が提案されたものでございます。更に、先般衆議院議員の選挙区の区割りについての答申がなされまして、現在及び今後国等において議論が行われてまいるわけでございます。私といたしましても、政治倫理の確立、政治腐敗の防止、金のかからない選挙、こういうものの実現は目指すべきであろうと考えておりますし、また、国民の大半も政治改革に対する関心は非常に大きなものがあるわけでございます。今回のこの答申は、これら国民の関心に対して国会等においてどのような議論が進められるか注目されておるわけでございます。国民にとってもなかなかわかりにくい問題でもございますので、大いにこれらの問題について議論が行われ、国民がどのようにこれを受けとめていくべきか、国民の間にも更に関心が高まることを期待しておるわけでございますが、これらの国民的議論を見守ってまいりたい、このように考えておるところでございます。 ○副議長(根深善雄君) 十四番。 ◆十四番(村上敏子君) ただいまのお答えで、特に問題点について再度質問したいと思います。 救急医療についてですけれども、先ほど救急医療については診療報酬で見られているというお答えがありました。最近、厚生省の救急医療対策検討委員会が二十一世紀に向けての救急医療体制の充実対策をまとめております。この中では、医療経営上、採算をとることが救急医療の場合大変困難である。このため救急医療にかかわる社会保険診療報酬については、数度の改正が行われたが、まだ十分とは言えない状態である。また、国や地方公共団体からの財政援助も十分ではないとはっきり指摘しております。そして、ここで特に我が国の救急医療は一般の医療と同様、民間医療機関の果たしている役割が非常に大きい。その医療機関に対しては救急医療の不採算性を考慮した公的援助が十分に行われていないということが詳しく報告されております。こうした点からいいましても、やはり民間医療機関の果たしてきた役割というのを十分に評価して、今後とも財政援助を積極的に図る必要がある、こういうふうに述べておりますので、この検討委員会のこの項目の趣旨というのを十分に踏まえまして、今後県としても必要な援助については行っていく必要があるんではないかというふうに思います。その辺で、先ほどのお答えでは非常に消極的でありましたので、もっと積極的な財政援助に取り組むという、そうした御決意がないのかどうか、お伺いしたいと思います。それは先ほど来岩手県、福島県の取り組みの状況とも比較いたしまして、宮城県はもっと私は積極的にこうした医療に対して十分な財政投資をしていく必要があるんではないかということを重ねて強調したいと思います。 それから、第二点は、今後の救急医療対策のいろんな問題について、各地域ごとに救急医療の対策委員会がつくられている。そうした中で、解決していくんだというふうにおっしゃいましたが、今問題になっております仙台地域ですね。これは岩沼、仙台それから塩釜、そして黒川郡の四つの地域対策の委員会又は協議会ということに分かれております。ですから、この地域の問題を解決するためには、やはり県がその調整役としての大きな役割を果たして、そして解決に取り組むということが必要ではないかというふうに思います。そういう点で、私は新たに協議機関をつくる必要があるのではないかというふうに質問したんですが、その点についてもう少し明確にお答えいただきたいと思います。以上御質問いたします。 ○副議長(根深善雄君) 知事本間俊太郎君。    〔知事 本間俊太郎君登壇〕 ◎知事(本間俊太郎君) お答えをいたします。 救急医療が今後の我が県民の暮らしにとりまして大変重要な課題になってまいっておるということは先ほど申し上げたとおりでございまして、これらの体制づくりを今後とも大いに努力してまいりたいと思います。 しかし、救急医療の問題が一番どこにあるかと申しますと、ただいま村上議員が御指摘になりましたように、救急医療が採算割れを起こす、やると赤字になるというような問題は全国的な問題でございます。したがって、まず第一は、やはり診療報酬制度の中で十分に評価されて、改正されて、そうして採算割れを起こさないような状態をつくり出していくということがまず一番大事なことでございまして、これはやはり国の責任においてやっていかなければいけない、そういうことでございますので、これは我々都道府県も、東北は東北の知事会なり協力して強く要請していくということが大事だと、これがまず基本であろうかと思います。 また、この救急医療問題については、長年にわたって民間の医療機関等も大変な協力をしていただいておる、その役割を果たしておるということは、高く私どもも評価いたしておるわけでございまして、これらについてもやはり一番大事なことは診療報酬制度でございますので、これらの充実が肝要かと思っておりますが、これまでも県も救急医療問題について、いろいろな助成措置も講じてまいっておりますので、これらについても今後も考えていきたい、このように思っております。 第二番目の仙台圏の問題でございますが、県が調整役を務めるということは当然のことでございますが、協議会等の設置が必要かどうかについては担当部長の方からお答えをいたさせたい、このように思います。 ○副議長(根深善雄君) 保健環境部長伊田八洲雄君。    〔保健環境部長 伊田八洲雄君登壇〕 ◎保健環境部長(伊田八洲雄君) 村上議員の再質問にお答えをいたします。 仙台地域については、岩沼とか仙台、塩釜、黒川など、広い範囲の地域が含まれていると。そのために県が調整役をとり、更に協議機関をつくるべきではないかという御質問でございますけれども、既に昭和四十四年から宮城県地域医療対策協議会がございます。各地域の代表が入って協議会が毎年開かれておりまして、救急医療につきましても、この協議会でいろいろ今まで協議してまいった経緯もございます。この協議会を活用することによりまして、その調整を図ってまいりたいと思いますし、県もその協議会のメンバーになっておりますので、十分その調整役も果たしてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(根深善雄君) 十四番。 ◆十四番(村上敏子君) 本会議でございますので、重ねて知事のもう少し積極的な姿勢をぜひお示しいただきたいと思うんです。私も消防署の救急隊員の皆さんのお話を聞いたり、いろいろ連日御苦労されている救急医療の実態を調査いたしました。そして、福島県のを学びまして、それと比較しますと、岩手県もそうですが、格段の相違がございます。宮城県の場合は、救急隊員の人が、一体輪番制というのがどういうふうになっているのかとか、どこへ連れていったらいいのかということが全くわからないまま、手探りで自分たちでかなりいろいろ調べたり、大変苦労しながらやっているという実態があるわけです。そういう点を比較しますと、福島県はいただいてまいりました資料も、各病院ごとに救急専門病床数なども明示して…… ○副議長(根深善雄君) 簡潔にひとつお願いします。 ◆十四番(村上敏子君) (続)こうしたものが救急の搬送隊員のところにまでちゃんといっている、こういうものを見ながら、搬送もできるということまで徹底しているそうです。そういった点から比較いたしまして、もっと宮城県はやはり現場の人が本当に実際にできるような、こうした具体的に私は救急体制というのを確立して、みんなに明らかにしていくということが必要だと思います。そういった点で知事も、岩手県庁の人も言いました。知事の取り組む姿勢がやはり違っていたんだと。それで我々も一生懸命やってきたんだということも言われました。こうした県の精神的なことを謙虚に学んで、積極的に取り組んでいく必要があると思いますが、知事の御姿勢をお伺いしたいと思います。 ○副議長(根深善雄君) 知事本間俊太郎君。    〔知事 本間俊太郎君登壇〕 ◎知事(本間俊太郎君) 今後とも積極的に取り組んでまいりたいと思います。 ○副議長(根深善雄君) 八番千葉達君。    〔八番 千葉達君登壇〕 ◆八番(千葉達君) お許しをいただきましたので、通告に従い、五つの問題について御質問を申し上げます。 まず第一点は、昨年秋の仙台市東部地区を襲いました水害被災者に対する県の救援施策についてお尋ねをいたします。 昨年九月二十日の台風十九号、十月二十六日の豪雨、更には十一月四日及び三十日の大雨によりまして、仙台市日の出町、扇町、卸町、六丁目地区、そして多賀城市、塩釜市などにおきましては、わずか三カ月の間に四度水害に見舞われ、建物への床上、床下浸水、周辺道路の冠水等によりまして莫大な被害を受けたところであります。特に事務所、工場、住宅、倉庫など集中する東部流通業務地区周辺におきましては、浸水により展示中の自動車、倉庫内の商品などが水をかぶり、工場においては、精密機械、コンピューター関連光学機器など大きな被害を受け、更に道路の途絶や交通困難なども加わり、事業活動や住民生活に大きな影響が出たところであります。 そこで、ことしも災害の季節に入っておりますが、昨年のような災害が起きないとも考えられません。同一地区において同じような災害に見舞われることとなれば、政治家や行政の怠慢と言われかねなく、現に本年六月十三日木曜日午後三時ごろに降りました集中豪雨は、あわや昨年の災害がまたかという寸前までまいりました。根本的対策は仙台市の対応が主であります。県としては既に救援措置を行っているかと思いますが、県民に少しでも安心していただき、政治家や行政の怠慢と言われないためにも、県の対応をお聞かせいただきたい。特に被災者に対する住民税、事業税の軽減など税制面の特例措置について宮城県の御対応をお伺いしたいと思います。 次に、第二点といたしまして、若林区交通問題についてであります。 御承知のとおり、都市圏の交通問題については、全国的に社会問題となっておりますが、近年仙台都市圏においても人口集中が著しく、それに伴う慢性的な混雑現象が起きております。特に若林区が位置する東部地区は、物流系業務の集積度が高く、今後ますます重要視される地域として皆様も認識していることと考えます。このような観点から、若林区の交通事情を見ますと、朝夕の交通渋滞が慢性化しております。これは、市街地、通勤圏の拡大現象に対しまして、公共交通サービスや道路整備の立ちおくれとマイカー利用者の増加によるものと思われますが、仙台市が政令指定都市移行に伴い、より一層顕著なものとなっております。 そこで、本地区の交通問題緩和策といたしまして、公共交通サービスの向上、また道路整備の促進はもちろんのこと、マイカー利用者が多い実態をどのように公共交通機関の利用に転ずるかがポイントと考え、通勤交通など、対応する公共交通ネットワークの整備が緊急課題であると痛感をいたしているところであります。現実問題として、道路整備につきましては、道路拡張ともなりますと、現に若林区は住宅密集地であることから、容易に解消されないことと私自身も考えております。だからといって、全く改善しないわけにもまいりません。この点は仙台市の管理下でありますので、宮城県といたしまして、仙台市との連絡会議等を通じ、必要な御対応をお願いするにとどめたいと思います。 そこで、技術面、予算面、経済効果、経営面、地域及び関連住民の意見とさまざまな視点に立ち、現実的に早期緩和策となり得る考えを以下述べさせていただき、知事の御所見をお伺いをいたしたいと存じます。 先般、東北大学教授須田先生を中心としたグループが、「仙台に山手線を」と提唱しております件についてであります。これは在来線のJR東北本線と貨物線の既存路線を利用、環状線とし、通勤電車を走らせる構想であります。同教授によりますと、既に十年ほど前に提唱しており、なぜかそのままの状態になっておったというふうなことでございます。東京、山手線の三分の一ほどの規模ではありますが、仙台市東部地区の通勤の便がよくなり、マイカー通勤者を公共交通機関に移行させる効果も期待でき、朝夕の交通渋滞が緩和されるほか、技術的問題もほとんどなく、環状線化工事、新駅舎建設、信号設備等の建設費用が地下鉄の施設建設費に比べ、約十分の一で済み、経営採算面においては、人件費、車両費、運営費等の支出面に対し、収入面が目的別環状線利用人員から終日駅間利用人員、最大時駅間利用人員を割り出し、運行計画を正確に実施、利用者サービスレベルを十分考慮することにより、十九年で採算が合うという試算結果が出ております。ここで、新交通導入が現実的と言われる条件に、採算が約十五年から二十年で黒字に転ずることと言われており、この点から見ても、現実的な施策と考えるものであります。効果が期待できる仙台市東部、特に若林区、宮城野区の住民は、仙台市の三分の一に当たる三十万人であります。同教授の計算によりますと、環状線導入後には、約八割の住民が利用する見込みとなり、国道四十五号線や国道四号線バイパス等の交通渋滞が大幅に緩和される可能性があることも述べております。このような考えに対し、東部地区住民の方々も歓迎をしており、即時計画の実現を要望しておりますことをここにつけ加えさせていただきます。また、須田教授は、JR仙山線における東照宮駅、北山駅、国見駅の利用者予測の際、現在の利用客数を正確に予測された方でもあり、今回の提言の信頼度は非常に高いものと考えており、私自身、「仙台に山手線を」の提唱に対し大きな期待と興味を抱いております。 現在仙台市においては、仙石線の地下化工事や地下鉄南北線の延長工事が順調に進行中と聞いております。また、東西軸においても、新交通システムの導入について鋭意検討されておるとのことでありますが、第二国土軸に対応するにしても、国際化を目指すにしても、都市基盤の整備の基本として現在住む住民の意向を考えた交通システムで実現可能な施策として鉄道環状線の整備の早期実現を考え、促進すべきと強くお訴えをするところであります。このJR東北本線、貨物線を活用した環状線の運営方式を政令指定都市仙台における第三セクター方式、宮城県における第三セクター方式、JR単独事業方式と三つの方法が考えられます。いずれにせよ、仙台市都市交通問題施策として歓迎されることと思いますが、知事の御所見をお伺いしたいと思います。 次に、第三点といたしまして、宮城県内におけるリゾート整備について知事の御所見をお伺いしたいと存じます。 その一として、栗駒・船形リフレッシュリゾート オアシス21構想は、基幹産業としての農林水産業の低迷や過疎化、高齢化等の進行など、厳しい社会環境にある県北西部十一市町村の地域活性化の一大プロジェクトであり、その促進には地域の熱い期待が寄せられております。また、来る二十一世紀に向けて労働時間の短縮等による多様な余暇需要の増大に対応し、新たな文化創造の一翼を担うものとして、昨年三月に国の承認を得て、構想の具体化の段階にあるところであります。この基本構想の承認から一年余りが経過をいたしておりますが、まずはこの間の各重点整備地区における特定民間施設整備等の進捗状況や建設計画等、構想の進展についてその概況をお知らせを願いたいと思います。 その二として、これまで全国におけるリゾート開発を見ますと、昭和六十二年の総合保養地域整備法の制定以降、平成バブル経済と言われる好景気の中で、民間事業の投資意欲が助長され、リゾートブームと言われるような社会現象を起こした感がありますが、地価の高騰や自然保護の観点から事業化がおくれ、あるいは中断せざるを得ない事例が少なくないという状況であります。本県の今後のオアシス21構想の推進を考える場合、これらの事例を他山の石として、豊かな自然環境との調和を図りながら、地域住民が積極的に参加をし、他に誇り得るリゾート地域を形成していく長期的な展望に立った整備のあり方がなお一層必要と考えますが、本県として今後のリゾート整備に対する知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 その三として、魅力にあふれ、多様な余暇需要を満たす広域的なリゾート地域の形成を着実に推進していく上においては、東北新幹線古川駅やくりこま高原駅、東北縦貫道の古川、築館、若柳金成の各インターチェンジ等の主要ポイントからの各重点整備地区への連結性を高めるとともに、特定地域内においてどこからでも便利にアクセスできるルートを確保し、周遊性の向上を図ることが極めて肝要であると考えます。このためにも、宮城県としても、特定民間施設整備等の進捗状況に対応して基本的な道路新設や改良を積極的に推進をし、交通ネットワークを形成することが急務であると考えますが、今後の整備方針について知事の御所見をお聞かせいただきたいと思います。 次に、第四点の宮城県スポーツセンターについて御質問をいたします。 宮城県スポーツセンターは、県民の心身の健全な発展に貢献するとともに、明るく豊かで活力に満ちた地域社会の形成に役立つよう、昭和三十九年東京オリンピックを契機に県の一大プロジェクトとして建設されたものであります。以来今日まで、県内有数の施設として県民スポーツに対するニーズにこたえ、スポーツの祭典やイベントの開催等多くの実績を残し、県民から高い評価と信頼を得てきているところであります。特に、昨年度開催されましたインターハイでは、体操競技場として連日多数の入場者を迎えるなど、その果たしてきた役割は非常に大きなものがあります。知事は、日ごろ新・伊達なクニづくりを提唱し、地域の活性化やスポーツの振興に積極的に取り組まれているようでありますが、スポーツセンターは、開館以来二十七年も経過し、老朽化していること。時代の変化とともにスポーツに対する県民の意識もより高度化、多様化し、必ずしも県民のニーズに適切にこたえられるような状況にはない面も見受けられ、現在の施設について検討すべき時期に来ているのではないかと思われます。そこで、現在の施設をどのようにしていくつもりなのか、今後の施設移転も含めて教育長のお考えをお伺いしたいと思います。 次に、国際化にふさわしい施設について更にお伺いをいたします。 我が国における国際化は、世界の中での我が国の役割の増大に伴い急激な進展を見せるとともに、国政レベルのみならず、地方レベルへも確実に影響していることは御承知のとおりであります。このような中で、地方における国際音楽祭、演劇祭等、各種の国際イベントは年々盛んになっておりますとともに、地方公共団体と世界各国の都市との友好親善も同様増加していることも事実であります。本県におきましても、中国吉林省を初め十四市町において諸外国二十都市と友好親善の提携を行っているところであり、また国際会議、国際シンポジウムの開催におきましても、八月には国際文化シンポジウム、十月には日米市長・商工会議所会頭会議の開催が予定をされており、多彩な国際交流が展開されるようであります。このような状況にあって、世界に開かれ、世界に貢献する宮城の形成を目指す本県といたしましては、国際化の一層の進展に対応した各種イベントやコンサート等が、例えば五千人以上収容可能なホールで高度な音響、同時通訳等を備えた施設整備が必要と思いますが、知事の御所見をお伺いしたいと思います。 最後に、第五点の宮城刑務所についてであります。 先刻申し上げましたとおり、知事の御提唱になっております新・伊達なクニづくりには私ももろ手を挙げて賛意をあらわすものであります。しかしながら、その内容を検討いたしますとき、貞山運河の改修、サン・ファン・バウティスタ号の復元展示等々、時宜を得た計画が盛り込まれていると思いますが、愚考をいたしますと、これから私が申し上げたいこの問題をなおざりにし、計画の中枢となされないとしたならば、せっかくの計画も画竜点睛を欠くものとなり、識者、後世の人の批判に耐え得ないものになるのではないかと憂慮いたすところであります。その問題とは、宮城刑務所のことでございます。 御承知のとおり、現在宮城刑務所が置かれております場所は、新・伊達なクニづくりの元祖であります藩祖政宗公が、隠居後の居城とすべく幕府の許可を得て、寛永四年より国分氏の旧城跡に造営した若林城のあった場所であります。本来ならば、藩祖公の遺徳をしのぶ史跡として大切に保存すべき場所であります。しかし、薩長藩閥政府と呼んでも過言ではない明治政府は、西南の役の後、反政府の政治活動家を収容する集治監を戌辰の役の意趣返しをするがごとく、宮城県民にとっては聖地とも申すべきこの地に強権をもって設置し、現在まで一世紀以上の年月を経過する間移転の気配すらなく、なおかつその周辺が国有地であるとの理由で、周辺地域住民の反発を無視し、少年院、女子学園、鑑別所等々の関連施設を集中設置している状況であります。この周辺国有地も、地域の古老にお話を伺いますと、刑務所関連の用地ということではなく、競馬場をつくるから買収に応じてくれということで、それならば、地域発展のためになるであろうとの考えで買収に応じたところ、競走馬どころか、赤服、青服を着た囚人が作業をするようなこととなり、地域発展の重大な障害となってしまったということで、当初の話とは大きな食い違いがあったようであります。 このような歴史的経過を考えますとき、この地に宮城刑務所並びに関連施設があることは、周辺地域住民はもとより、県民の感情といたしましては絶対に容認でき得ないものがあります。県民の名誉をかけて容認放置すべきことではないと考えます。かつまた、今後のことを考えますとき、若林区の発展、仙台市の発展のみならず、県の発展を図る上からいたしましても、見過ごすべき問題ではないと思います。県都仙台市の枢要な場所に、県民に何らの利便をもたらすことのない施設が、国の機関とはいえ、広大な敷地を占有し、周辺住民の迷惑と反対を顧みることなく居座っているということが許されるものでありましょうか。そもそも国有地とは、国民がその所有者であり、政府並びに各省庁はその管理を委託されているにすぎないものであるとの視点に立てば、一省庁の都合に基づく恣意的使用権はないのではないかと考えられ、その所在地の自治体、市民の要望に従うべきものではないかと考えます。明治以来の中央集権の名残が根深く官僚意識として残渣のごとくこびりつき、主権在民の基本すら薄れかけて、中央の都合のみが優先される風潮すら感じられます現在、中央官庁の反省を促し、真の地方自治確立のための嚆矢として、県、市当局はもとより、全県民の意思を統一し、一体となってその移転を要求すべきであり、今こそそのときであると考えます。 なお、このことは、仙台市が政令指定都市となり、区制をしき、若林区の区名を選定する際も、地域住民側より区名の根拠となる場所が刑務所であることに対し、区民として、他地域、他県の人々に区名の由来の説明が話しにくいとの声が大きく、石井仙台市長も、政令都市移行後早急にかつ積極的に取り組むとの条件をつけて、若林区の区名を住民に認めていただいたとの経緯もありますので、知事におかれましては、石井仙台市長との連携を更に密にされ、新・伊達なクニづくりのために絶対避けては通れぬ問題であるとの御認識のもとに、県選出の国会議員、我々県会議員、仙台市議会議員の政治力を一点に集結させ、宮城刑務所並びにその関連施設の移転を実現させるべく御努力をお願いを申し上げるところであります。この移転が実現できることにより、仙台市民の喜びははかり知れないものがあると考えられます。 先般二月議会におかれ、若林区選出の高橋稔議員の宮城刑務所に関する質問に対し、知事のお答えは、仙台市とは連絡会議等を持っておりますので、このような会議の中で話し合いを検討してまいりたいと答弁されております。その後話し合いをお持ちになられたか。また、持たれたとすれば、どのような状況なのかを含め宮城刑務所問題に対する知事の明確な御所見をお伺いいたしたくお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(根深善雄君) 知事本間俊太郎君。    〔知事 本間俊太郎君登壇〕 ◎知事(本間俊太郎君) お答えいたします。 まず、災害に対する問題でございますが、災害によりまして住宅や家財等が被害を受けた、こういう方々に対する税制上の救済措置といたしましては、個人県民税、個人市町村民税、あるいは個人事業税、不動産取得税、固定資産税等々税があるわけでございますけれども、被害の程度や代替資産の取得などに応じまして、一定割合で減免あるいは徴収猶予、こういう措置を講ずることといたしておりますほか、商工業者の方々が例えば事業用の商品や事務所あるいは倉庫などにおいて損害を受けた場合は、事業所得上のこれは必要経費に計上できるということになっておるわけでございます。昨年の台風十九号等で被害を受けられた方々に対しましても、県、市町村ともどもこのような減免措置を講じてまいったわけであります。その件数はおよそ一千三百十六件、金額にして一千七百二十五万八千円を、このような措置をいたしたわけであります。今後とも災害が発生した際には、よく市町村と連携をとりまして、これら制度の適切な運用を今後も図ってまいりたいと思います。 それから、若林区の交通問題でございますが、確かに仙台都市圏の交通渋滞というものは次第に重要性を増してまいっておりまして、意見にもありましたとおり、道路整備のみならず、バスその他の公共交通ネットワークの整備、改善が重要であります。そのような観点から考えますと、質問にもありました東北大学須田教授が御提案されました仙台都心部における鉄道環状線の整備構想というものは私どもも承知いたしておりまして、これは仙台都市圏における対応策の一つである。もし実現できれば有効ではないかと、このように考えておるわけでございますが、これらの実現の問題についてはさまざまな課題があろうかと思います。もちろん費用的には、地下鉄と比較すれば大変安いことと思われるわけでありますが、このための建設費用、用地取得等の問題あるいはその他の車両等々の経費等、勉強する課題があるわけでございまして、今後仙台市、そしてJR東日本ともどもその可能性につきまして話し合いをいたしてまいりたいと、このように思います。 次に、宮城県におけるリゾート整備についてのお尋ねでございますが、このリゾート構想につきましても、やはり自然とどうリゾート整備が調和させていくかということが極めて重要でございまして、これらについて十分に考えてまいりたいと思っておりますが、栗駒・船形リゾート構想のまず推進状況でございますけれども、昨年三月の基本構想の承認以後、具体化に向けまして、事業者でありますとか、市町村でありますとか、関係との調整を図りながら、用地の問題、土地利用関係法令等に係る関係機関との協議なども鋭意努力して進めてまいったわけであります。各重点整備地区の特定民間施設につきましては、鬼首地区で、ゴルフ、コンドミニアムゾーンに係る所要の許認可の手続を終えておりまして、鳴子の川渡地区では、温泉レジャー施設等の整備について土地利用規制の協議、調整を進めております。また、栗駒高原地区のスキー場及び薬莱地区の各種のスポーツ施設あるいは体験農場等につきましては、整備計画を現在策定中であります。今後の問題でありますが、本県のリゾート地域の豊かな自然、歴史、文化、こういう恵まれた自然を大切に守って育てながら、多彩な人間交流の場をつくっていく。あるいは宮城ならではの生活文化としての熟成を図るために、先ほど申し上げました自然環境の保全でありますとか、地域産業の振興との調和でありますとか、あるいは地価の安定、更には地域の参画と、計画的なそして段階的な整備、こういうことに十分な配慮をしていきたいと、このように考えております。 次に、交通の問題でございますが、多様なモチーフを持つ広域的リゾートにおきましては、周遊性、あるいはそれぞれの地域の相互補完性、こういうものが極めて重要でございます。特に松島でありますとか、平泉でありますとか、こういう大きな地域との関連もございます。このため道路網の整備については一層力を入れていく必要がございまして、平成三年度において、鬼首山麓観光道路あるいは国道一〇八号湖西線、こういうものを関連道路として位置づけておりまして、この予算においておよそ三十億円の事業費を確保いたしておりまして、今後整備促進に努力してまいる考えでございます。 スポーツセンター問題については、教育長から答弁をいたさせたいと思います。 教育、文化施設の問題でありますが、世界に開かれ、世界に貢献する宮城県といたしましては、国際交流の一層の推進を図る上で、産業経済、学術文化の各方面にわたっての基盤整備が必要でございます。 御質問の国際的イベント、あるいは国際会議などが開催可能な大規模施設の整備については、仙台市等も大変な努力をいたしておりますけれども、県としましても、二十一世紀における多様な文化施設あるいは国際交流施設のあり方なども含めまして、長期構想とも絡めながら、今後慎重に検討してまいりたいと、このように考えております。 それから、宮城刑務所についての御質問でございますが、お話のとおり、本敷地は、伊達政宗公が造営した居城の若林城の跡でございます。そういう意味では歴史的な地域でございます。また同時に、刑務所は地域の皆さんにとっては迷惑かもしれませんが、明治以降宮城集治監として活用されてまいりまして、西南の役の後には、国事犯がここに収容され、やはり刑務所というものはなくせない、社会の秩序を維持するために必要な施設でもあるわけでございます。しかし、これらの歴史的な背景、そういう意義というのは考えていかなければなりません。これも、新・伊達なクニづくりの一つでございますことはそのとおりでございます。したがって、町づくりの中で検討していくことは大変大切でございまして、この問題については平成三年二月の定例県議会におきまして高橋稔議員が取り上げ、質問をちょうだいしたわけでありますが、これに対してもお答えしております。確かに現在の若林区は市街地でありまして、もう市内の中心部というような状況の変化もございます。したがって、検討をする時代に差しかかっているというふうに考えてよいと思います。しかし、これは町づくりの主体である仙台市において、まず地域全体の視点に立った利用計画を考えることが大切でございまして、これとあわせて、県としてもよく相談をしていく必要があろうかと思います。そして支援すべき点があれば積極的に支援していかなければならないと、このような考えでおるわけでございまして、今後仙台市とよく連携をとっていきたいと思いますが、果たして話したのかと、こういうお尋ねもございましたが、既に話題にはしておるわけでございますが、正式な検討課題とはなっておりませんので、仙台市のいろんな諸事業との関係もあろうかと思います。よくよく話し合ってこの問題を将来取り上げられるように努力をいたしてまいりたいと思います。 ○副議長(根深善雄君) 教育長大立目謙直君。    〔教育長 大立目謙直君登壇〕 ◎教育長(大立目謙直君) 千葉議員にお答えいたします。 県スポーツセンターは、お話のありましたように、昭和三十九年の開館以来、本県スポーツ活動の拠点施設としてその役割を果たしてきているところであります。しかしながら、施設体が二十七年も経過していることから老朽化してきており、このため施設の構造全体の耐力劣化や諸設備関係の劣化の現状を把握するための調査を行うこととし、本年度予算措置を講じたところであります。 現施設の今後の方向づけにつきましては、この調査結果や国体開催に向け計画されております総合体育館の新設、更には県全体のスポーツ施設のあり方などを総合的に考慮するとともに、仙台市とも協議しつつ検討を進めてまいりたいと思います。 ○副議長(根深善雄君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。  ──────────────────────── △散会 ○副議長(根深善雄君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。   午後四時四十三分散会...